向日葵みたいな君7

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「んはははは！ひーくんのが一枚上手やな！
　ほな俺も、ひなたって呼ぶわ！」





そう笑って隣に座ると
俺の膝の上にちょこんと座った



「Aちゃんはココ！」と
俺の真隣に彼女を呼び寄せる



はいはいと言いながら
隣に座りなおした彼女

俺に視線を合わせてフワッと笑った





心臓がドキンと鳴ったのを隠すように
「よっしゃ！ほな読もか！」と
ひなたから本を受けとる


大きいように見えて
大人が持つとそれほどでもない絵本を開き


子供が喜ぶ感じで
緩急を付けまくって
感情打ち込んで読んでいく





1冊終わった所で「もっと読んで！」と
俺の膝から降りて絵本の入った袋に走っていく





そのタイミングで彼女が
静かに俺に話しかけてきた





「ありがと、照史」

「別にええよ、子供好きやし
　久しぶりで楽しいわ」

「…………照史は絶対、いいパ…「照史！今度はコレ！」





彼女が何かを言いかけたのに
ひなたの叫び声に掻き消され
そのまま次の絵本を読んだ





途中
隣から視線を感じて目を向けると
Aが酷く泣きそうな顔で
でも微笑みながら俺達を見ていた





理由を聞こうとしたけど
「照史！照史！これ僕よめるよ！」と
腕の中から聞こえたひなたの声に
視線を戻し返事をする

「ん？読めるん？」

「うん！えっとねぇ………お…か…い…も…の」

「正解！すごいなぁ！かしこ！」

「えへへへ」





得意気な顔をしている
小さな頭を撫でていると

「ひーーーくん！」と廊下から声

「あ、ママが来たかな？」と彼女が呟いた瞬間
病室のドアがガラリと開いた





「もう！またAちゃんの邪魔してる！
　ごめんねぇいつもいつも！」

「大丈夫だよ、ひーくん可愛いもん」





俺の膝からピョンと降りると
「照史がね！絵本読んでくれたの！」と
ママらしき人の足にしがみついた





「桜井ですー！
　いつもAちゃんにはお世話になりっぱなしで！
　ありがとうございます！」

「桐山です。俺も楽しかったです」

「ほら、ありがとう言った？」





その声にくるりと振り向くと
「ありがと！」と満面の笑み

可愛いな





足元に落ちている袋に
手元の絵本も入れて
目の前にしゃがんで小さな手に持たせる





「ちゃんと挨拶出来て賢いな
　
　また遊ぼな、ひなた」





大きく頷いて
小さな手を一生懸命広げて手を振る

ママさんが頭を下げながら
ドアを閉めた

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