TWICEメンバーに恋、されちゃいました。2

第46話〜難問〜 ページ8

なんで紗夏は、スタジオを飛び出して言ったんだ？

なんで紗夏は、最近暗かったんだ？

何で？何で何で何で＿＿＿＿

考えれば考えるほど、思考がこんがらがって行く。

はぁ、とまた溜め息。

俺には分からない問題。

容易くなんて解けはしない。

人間の心理って難しい。

直接聞くのも向こうの都合ってものがあるだろうし、このままにしておくのも駄目に決まっている。

考えているうちに、うとうととまどろんでしまう。

俺は、意識を手放した。

サナside

気がつくと、時計は6時半を指していた。

記憶がない。いつ寝たんだっけ。

いや、寝たんじゃないんだっけ。分からない。

それより、ツウィの事が気になった。でも、思考を止める。考えたらまた頭痛が増す気がした。

辛かった。まさかAが浮気していたなんて……

私が直接、事情を確かめたい。

だけど、それで相手の関係を邪魔するのが怖かった。

私からは聞けない。

どうしたらいいの……

Aside

眼を覚ますと、湯船の中で寝ていた。

入ってから1時間少し経っている。顔が熱い。

しかも、湯は冷めている。寮の風呂だから追い焚きも出来ない。

仕方なくシャワーを浴びて、出ることにした。

足に力は入るようになっていた。

体を拭いて、部屋着を着て、音楽室に向かう。

そこで、ピアノの前に座った。

蓋を開け、布を取る。

そして、思いっきり力を込めて、ピアノの鍵盤を叩く。

『エリーゼのために』を弾いている。

この曲は、嫌なことがあったときに弾く。

もともと小さい頃に習い始め、中学3年でやめた。

まだ感覚はかすかに残っていて、弾くことができた。

感情のまま引いていると、ドアが開いたのが分かった。

ナ「なーにしてるの？」

貴「少し気分転換にと思って。」

ナ「サナのことはどうしたの？」

貴「それは……」

口ごもっていると、「もう、じれったい。」と言われてしまった。

ナ「ちょっと座って。」

俺たちは床に座った。

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