もっと。【BTS】 (ページ26)

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THIRD～Part5～ページ26

男「おまたせ！」

貴「ううん、大丈夫。」

約束の日になり、公園で待ち合わせをした。

今日は彼の好きな繁華街の中で買い物をする予定だ。

私たちは並んで歩く。

男「……手、繋いでもいい？」

貴「え……？」

男「あ、ごめん。忘れて。」

貴「……繋ぐ？」

男「でも、彼氏さんに悪いよ……」

貴「大丈夫だよ、優しいから。」

男「じゃあ……」

そう言って、彼は手を差し出す。

私は軽く握った。

大きくて骨ばった手。男子特有のこの感覚が少し好きだ。

彼は顔を赤らめ、下を向いていた。

貴「緊張してる？」

男「まぁ、ちょっと……」

貴「面白いね。緊張しなくていいのに。」

男「そうだけど……あ、白城さん、ここだよ。」

いつの間にか着いていたようだ。

貴「じゃあ入ろっか。」

私たちは店の中へ入った。

貴「よし、お目当てのものゲット！」

男「俺も買えたし良かった。」

貴「じゃあ、次に行こう！」

男「うん。」

私たちは再び歩き出した。

そして、2軒目、3軒目と周り、3軒目で買い物を終えた時には外が暗くなり始めていた。

男「そろそろ帰ろうか。送るよ。」

貴「いいの？ありがとう。」

私たちは家に向かって歩く。

少し足が疲れてきた。

人はまだまだ途切れない様子だ。

その時、誰かの足を踏んでしまった。

貴「あっ……」

転びそうになる。

男「あぶなっ……大丈夫？」

彼が支えてくれるも、足が痛い。

貴「大丈夫……いたっ……」

歩こうとするも、歩けなくなってしまった。

どうやら、捻挫してしまったみたいだ。

すると、彼は目の前でしゃがみ、こういった。

男「乗って。」

貴「大丈夫だよ！」

男「さっき歩けてなかったでしょ。ほら、もう遅いし。」

貴「ありがとう……」

私は彼の背中に乗る。

男「わっ……白城さん、軽いね……」

貴「そんな、お世辞でしょ？重いよ……」

男「細くて折れてしまいそう。ちゃんと食べてよ？」

貴「うん、ごめんね……」

彼の暖かい背中は安心感を与えてくれる。

私たちはこれ以上、喋らなかった。