兄貴のお気に入りに恋をした【灰谷竜胆】 (ページ24)

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｢あー…横浜くせぇ、から？｣
｢竜胆～それで誤魔化してるつもりか？｣

あ、これ逃げられないやつ。

｢実はさ、｣

泣いてたAと出くわしたこと、
公園で絡まれてるところを助けてやったこと、
電車で帰らせられない格好してたからバイクで送ったこと、
んでついでに大将たちと会ってきたこと。

簡単にざっくり話をした。

それを聞いた兄貴は
｢なるほどね、でも俺に隠す必要ないじゃん｣
｢いや、あの女が兄貴に会わずに先輩の様子だけ知りたいって言うから仕方なくだよ｣
｢嫌われちゃったね～｣
｢服ボロボロだったから俺の貸したんだわ、寒いし｣

｢…あのビッチを誘えばあの猫もついてくると思ってなんとか家まで連れてきたのに｣
｢猫って、A？｣
｢うん、Aちゃん。素直で真面目そうで、男を知らなそーだろ？｣
｢…ああ｣
｢ビッチの方を酒で潰して、猫に手出そうとしたら引っ掻かれた｣
｢え｣
｢正確には平手打ちされた後膝蹴りww｣

(あー、)蘇る公園での出来事

｢怯んでるうちに出て行っちまったんだけど、｣
｢やるな、あいつ｣
｢なんか余計に気になっちまってよ、頭から離れねーんだわ｣
｢え、まさか兄貴…？！｣
｢今度は逃がさねぇ｣
｢はぁ？！｣
｢俺、あの子のこと気に入っちまったみたいだわ｣

…

…

｢Aの家、今度案内してくんね？｣
｢…｣
｢送って行ったんだよな？｣
｢…あ、でも近くのコンビニで下ろしたし家までは知らねぇ｣
｢じゃーあのビッチに連絡して会わせてもらおっかなー♡｣

…

…

脳内で危険信号が鳴っている