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その場に座り込み気管に入った液体をどうにかしようと咳き込む。
「え、大丈夫です!?」
そう言うと今度は女が俺の背中に手を添えて慌て気味にさする。
「ッごほ!…はっ…!、はぁ、はぁ…も、調子、狂うわ…」
少しずつ落ち着いてきた咳に女も安堵したのか、
背を撫でていた手も呼吸に合わせた優しいものに変わっていく。
「私は急がなくて大丈夫だから、灰谷さんがちゃんと落ち着いたら出発しましょ?」
そう言いながら様子を見ようとこちらの顔を覗きこむ。
(…さっきと立場が逆なんだけど)
むせて少し涙の溜まった瞳に女の顔がぼやっと映る。
次に女が上着の袖の端を近づけてきたかと思えば
涙の溜まった俺の目元をそっと撫でた。
「…!!なっ!?」
「あ、」
パッと離れていく手
「灰谷さんの服でしたね…すいません!」
(いや、驚いてるとこはソコじゃねぇ!)
「そういうことじゃ、ねぇ…けど、
…ん、ありがと」
近い。俺の顔色を伺ってる為か、距離が近い!
ドクン
ドクン
なんで俺がこいつに振り回されてるのかも
なんで俺が女に心配されてるのかも
(わっかんねぇ!!)
何故かそれが心地良いと感じているのかも
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NA - 面白かったです!!!! (2022年12月18日 21時) (レス) @page47 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トム | 作成日時:2022年6月19日 22時