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椿「A、視覚障害のお姉さんがいるって本当?」
突然のことだった。
夕方に帰ってきた椿くんは何だか考え事をしているようで、帰ってくるなり自分の部屋へ。
そして一度も話すことないまま迎えた夕食で、最初に発した一言目はそれだった。
『…ぇ、』
椿「この前お店に来た親子、Aの家族なんでしょ?」
どうして椿くんがそれを…?
誰に聞いたの…?
そう言いたいのに言葉が出てこない。
椿「何も言わないってことは本当なんだ」
スイ「椿くん、それどこで…?」
椿「角崎さん。詳しくは本人に聞けって言われたけど」
…あぁ、英介か。
言っちゃったんだ。
でも、今回は明らかに態度に出てしまった私も悪いか。
心配して、わざわざ聞きに行ってくれたって事だもんね。
『…そっか、アイツに聞いだんだ〜。でも別に、話すようなことは何も無いよ?』
椿「は、」
『もしあっても皆には関係ないし、そもそも私の家族の問題だから』
椿「…何言ってんの?」
『何って、
……え、椿くん…?』
椿くんの滅多に聞かない低い声に驚いて顔を上げた。
そこには泣きそうでどこか悔しそうな、そんな表情をした椿くんの顔があった。
…何で、椿くんがそんな顔するの。
ふと周りを見回すと、スイとときくんとぐれも同じような顔で私を見る。
ぐれ「…関係、無いの?」
『いや、だって、』
ときたか「そんな悲しいこと言わないでください…」
やめて、そんな顔で見ないでよ。
椿「僕たちじゃ、そんなに頼りない…?」
そんな訳ないじゃん。
いつも私は皆に助けられて、今の自分がいるんだから。
でもだって、所詮は…
スイ「Aにとって、俺たちはただの仕事仲間…?」
“仕事仲間”?
ほんとに?
この1年毎日同じ家で過ごして同じ所で働いて、殆どの時間を共にしているこの4人は
私にとって、そんな簡単な言葉で足りる関係だっけ?
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しゃち(プロフ) - 鞠莉さん» コメントありがとうございます。ツインの双子役がまさか見れる日が来るなんて…て思いましたよね(泣)お話楽しんでいただけて本当に嬉しいです!そう言っていただけると頑張れそうです(><)これからも楽しんでください^^ (2022年10月24日 2時) (レス) id: 94abb641fa (このIDを非表示/違反報告)
鞠莉 - こんにちは。小説読みました。鹿楓堂良いですよね…。私も鹿楓堂観ました。ツインタワーカッコイイです。ツインが双子役で共演すると決まった時は…願ってた夢が叶ったと思ってました。オリジナルストーリもあって、この小説楽しいです。続き…ゆっくり待ってます。 (2022年10月22日 18時) (レス) id: 9c72487d31 (このIDを非表示/違反報告)
亜由 - 遅くにすみません。小説読みました。続きが気になります。自分のペースで書いて下さい。 (2022年9月28日 3時) (レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃち | 作成日時:2022年9月26日 10時