鹿楓堂よついろ日和

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＿Tsubaki.side




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登場した相手がまさか、あの角崎英介。



スイーツ界で知らない人なんかいないくらいの有名人で


洋菓子会の鬼才、だなんて言われる人に自分が挑む事になるなんて思ってもなかった。




正直、めちゃくちゃビビってる。






アナウンサー「何を作るかもう決められましたか？」


椿「…ぁ、っと、」


アナウンサー「お若いですよね？鹿楓堂さんで働かれてどれくらいですか？」


椿「…っ、」


アナウンサー「お菓子で何が一番得意ですか？」





自分に向けられている大きなカメラとマイク。



次々に飛んでくる質問。





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「言いたいことがあるならはっきり言えよ！」


「ぇ、っと…」


「何で勝手な真似するんだよ！1人でやってんじゃねえんだよ！」


「あいつ、今日の宴会で勝手に全員分のお菓子変えたんだってよ」


「もういい。お前はクビだ！今すぐ出ていけ！」




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





僕はいつもそうだ。



コミュニケーション取ったり人と関わるのが苦手で、自分の気持ちも素直に言えない。





ぐれ「椿くん？」





だから今まで何処に行っても上手く行かなくて、色んなお店を転々としてきた。




やっぱり、僕はテレビなんて出る様な人間じゃ、





ぐれ「ちょっと失礼。ボンジョールノ、バリスタのぐれです！」





突然、後ろにいたぐれが自己紹介をして、カメラの注目を集めた。



そして何故か筋トレを始めたぐれ。




ぐれ「鹿楓堂のとっておきをお見せします。お菓子作りの為に鍛えた、この上腕二頭筋！」




何やってんだコイツ、なんて思ったけど




アナウンサー「もの凄い筋肉ですね！」





ぐれは目を合わせて、まるで「今のうちに」と言うような。





そっか。


僕を助けてくれたんだ。





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