鹿楓堂よついろ日和

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眼鏡和服イケメンの店員さんに緊張しながらも、メニューを頼んだ。




私は待っている間、職業病なのかお客さんの年齢層や店員さんの接客態度など観察してしまう。







…あ、あそこのお客さん若いカップルかな。



あっちは、おじいちゃんとその孫だろうか。





見渡す限りどうやら、このお店の年齢層はバラバラみたいだった。








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「お待たせ致しました。和風オムライスです」






注文から少しして運ばれてきた料理。



やばいどうしよう、めちゃくちゃ美味しそう。





『いただきます』



一口食べると、優しいふわとろの半熟玉子に、トマト特融のほのかな酸味の効いたケチャップライスとの絶妙な調和が口の中で広がる。





…あー、幸せっ



これだからオムライスは最強！







「ねぇ。あそこのお客さん、凄く幸せそうな顔してる！」


「オムライス、相当好きだったんですかね」








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『ご馳走様でした』




完食してお腹も満たされた丁度その時、携帯が鳴った。






『もしもし、どうした？』


«「あ、支配人お疲れ様です！すみません、ちょっと聞きたいことがあって…」»




それはまだ仕事中の後輩からで、必要な書類が入ってるフォルダを教えて欲しいとの電話だった。






“支配人”ねぇ…



いつから役職で呼ばれるようになったんだっけ。






«「ありがとうございました、失礼します！」»


『はーい、お疲れ様』





はぁ、と自然と口から出たため息。



別に今の仕事が嫌いなわけじゃない。




それなりにやり甲斐だってあるし、一緒に働いてる人達もいい人ばかり。





でもなんか。






…ちっとも、楽しくない。





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