・・２ ページ3
.
「…相葉くん、保健室いっておいで」
美術の時間、大野先生の言葉と、
それから、ぎょっとするした周りのクラスメイトの声。
ぱたぱたぱた、と、
たった今はさみで切った指から滴り落ちる血を思わず眺める。
「相葉くん、これで押さえな？」
「あ、ありがとうせんせー」
大野先生から受け取ったタオルをぐ、と巻き付けて、それから傷口は心臓より高い位置に…。
俺は保健室に向かった。
.
.
「はい、おしまい。
すぱっといってるから、動かさないでおけば意外とすぐにくっつくかもしれないわねー」
「…くっつく？くっつくの？」
先生に言われて、思わず傷を作った左の指をぷらぷらさせてみる。
「だから、動かすなっつったでしょ！」
「ぃた！先生！暴力反対！」
「デコピンごときで文句言わないの。
ほら！もー先生は職員室戻らなきゃならないから、相葉くんも戻る！」
高１の俺よりも背の低い、可愛い保健室の先生。
その先生にぐいぐいぐいぐい背中を押される。
「もー、押さないでよ先生！俺、けが人！」
「だーまーれー。
はさみの刃を触っちゃいけないなんて今日び、幼稚園児でも知ってるでしょうよ。
そんな子がけが人とか言わないの！」
「ひっでぇ！」
笑いつつ、背中を押してくる先生をみる。
……振り向くけど、平均より小さい先生をみても、目の前には保健室の部屋が見えるだけで。(だって俺は１７０くらいで、先生はたぶん、１５０前半の身長だから)
ふと、目に付いたのは、きっちりと閉められたらカーテだった。
ほかのベッドのカーテンは開け放たれているのに、そこだけなぜか、閉めきられてて。
気になって、口を開こうとした時。
「おりゃっ」
「どわっ!?」
かっくん、と膝が勝手に折れた。
そして、また、強い力で背中を押されて、気づけばもう、ドアは目の前。
「ちょっとせんせ〜！？古いよ、膝かっくんとか！」
「人のこと、見えないフリみたいにしてるからでしょう！大人をバカにして〜」
「バカにしてないよー小さいとは思ってるけどね！」
「こら！」
ぶん、と振られた先生のファイルをさらりと避けて、保健室のドアを飛び出す。
すると、
、
聞こえた笑い声。
慌てて辺りを見るけど、廊下には俺と、先生しか見当たらなくて。
……気のせい？
俺、疲れてんのかなぁ…最近ツイてないし。
そんな風に思いつつ、先生にお礼を言ってから、教室に戻るための階段を駆け上がった。
これが2回目。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 570人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さっちょんぬ(プロフ) - さくらさん» さくらーんらーん！お言葉いつもありがとうー！最後はすこーし、寂しい展開だったのもあってどっと書いてどっと更新してしまったよ。リクエスト頭の中でやっぱり野球してるんだけど！この子たち（笑）番外編も宜しくー！（笑） (2016年12月17日 8時) (
レス) id: b8e2dfbdaa (このIDを非表示/違反報告)
さっちょんぬ(プロフ) - ともさん» ともさーん♪お言葉、ありがとうございますー！いろいろ、飛ばしましたが（笑）ふたりはまた、出会うことができました！最後まで見守ってくれてありがとうございました！やっぱり最後はハッピーでないと！更なるハッピーは番外編でお届け致します♪よかったら！ (2016年12月17日 8時) (レス) id: b8e2dfbdaa (このIDを非表示/違反報告)
さっちょんぬ(プロフ) - @aaaさん» ありがとうございます(OvO)ゆったりまったり、ですが、宜しくお願いします♪ (2016年12月17日 8時) (レス) id: b8e2dfbdaa (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 完結お疲れさまでした♪最後一気に読んだから寂しかった…！にのちゃんの生きる希望になった相葉さん。ただ信じて待ってるのが、何かもう胸が苦しくて泣きそうやった。無事に再会してくれて良かったー！リクエストしたお話も待ってるね♪素敵なお話をありがとう^ ^ (2016年12月14日 23時) (レス) id: 39532f89de (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - さっちよんぬさんこんばんは♪ヤバいです。相葉ちゃんじゃないけどぉ〜涙が止まらないです(>_<)必ず再会出来る！っと思いながら読み進めていたんですがぁ…こんな素敵な再会(^-^)vドラマの様な一場面が眼に浮かびました( *´艸`) (2016年12月14日 21時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さっちょんぬ
作成日時：2013年9月2日 11時
