・・15 ページ16
「じゃあ帰るね!」
まだ会ってさほど経ってないけれど相葉さんはそう言ってベンチから立ち上がった。
あっという間の別れに、思わず俺もベンチから立ち上がってしまった。
会いたかった、と言ってくれたように、本当に会っただけで満足した顔の相葉さん。
言葉に、顔に、俺のことを案じる気持ちを感じる。
「じゃね、また明日ー!」
にっこり顏して走り去るその背中に、思わず伸びた左手を右手で押さえる。
「…なにこの手。」
そばにあの人がいなくなっただけで感じる寂しさだったけど、公園から出る直前で勢いよく振り返り、取れちゃうんじゃないかってくらいに大きく手を振る姿を見て。
「…ふは!」
思わず吹いた。
.
たった何分かの会話だったのに、心があったかくなって、頭の中が相葉さんで染まる。
『ニノ!』
耳に残る声。
…もっと、聞いていたい。
あの人と出会ってから、今までにない気持ちを感じる。
ヴヴ…、と震えたスマホが示す、相葉さんが送ってきた笑顔のスタンプ。
「…よし。」
目をつぶらなくても浮かぶ、あの、お日様のような笑顔。
玄関のドアを開け、そのままキッチンに向かう。
「おかえり。
はやかったのね。」
「うん、まぁ。」
夕食を作る母親の背中をぼんやり、ソファから眺めて。
「あのさぁ…、一生に一度の…。」
言いかけて、止める。
もし、もしかしたら…。
そんな、望みを込めて。
「一生に2回くらいありそうな、結構大きなお願いのひとつ、したいんだけど…。」
キミに出会って、描くようになった未来と、想い。
叶えるための、一歩を。
671人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さっちょんぬ(プロフ) - みーこさん» みーこさん、こんにちは!お言葉、ありがとうございます♪いちゃいちゃ!いちゃいちゃかー!シリアス…どんなのだろう!?(笑)みーこさんの意に添えるようなお話になるか怪しいですが、お話、考えてみまっす!ありがとうございますー! (2017年9月21日 10時) (レス) id: f21edf09fb (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - ヤダヤダヤダヤダ!もっともっともっと〜(´;ω;`) さらりとイチャイチャのお二人が!見たいんです。そんで、たまにで良いので、シリアスも…(* ̄∇ ̄)ノって、言っても貴女の造った世界。貴女の意向に従いまする (ФωФ) (2017年9月18日 10時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
さっちょんぬ(プロフ) - みーこさん» みーこさん、お返事が遅くなりすみません!お言葉、ありがとうございますー!ざっくり!?な感じでしたが、本編最後のその後のふたりをかけて、満足したわたしです。お付き合い、感謝です!返してって…奪う相葉さん、素敵ですよね…(笑) (2017年6月21日 0時) (レス) id: b8e2dfbdaa (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 再会が果たせて良かった!けど折角戻ったんだから、もう少し浸っていたい。(*´ω`*) 返してって言う相葉さん、大好きです。(ノ´∀`*) (2017年5月22日 13時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
さっちょんぬ(プロフ) - mikoさん» mikoさん(OvO)えー?どこの場面でしょう!?ここからがつっと(笑)すっ飛ばす予定ですが(笑)大丈夫かしらー!?相葉さんサイドよりにのくんサイドのほうがトキメキ感は強いつもりで書いてたり。らぶです、らぶ。 (2017年3月15日 8時) (レス) id: b8e2dfbdaa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さっちょんぬ
作成日時:2016年12月13日 15時