だるまる。1 ページ4
ふわりとあたりが明るくなって、ひんやりとした空気が頬に触れた。
「んン…、…ん？」
出した腕は、ある筈の存在をつかめず宙を切る。
「…まー、くん？」
自分でも自覚する、掠れた声で、
そばに居なくなった人の名前を呼ぶ。
「あれ？ごめん起こしちゃった？」
「ん、なんか、まぶしくかんじた。」
「ごめん、顔に光り、行っちゃったか！」
影にしたつもりなんだけどなぁ、なんて言いながら、まーくんが窓際を離れて俺のそばにくる。
優しく手を取り引っ張ってくれて、俺はベッドに座った。
「…さむい。」
「ふふふ、うん、寒いねー。」
ブランケットを肩にかけてくれて、手を引かれる。
窓際まで連れて行かれると、寒さがさらに増した気がした。
「どしたの？」
まーくんは手で曇ったガラスをこすって、外を覗く。
「何か見えるの？」
「うん？んー、んー、雨。」
「今日、雨なんだ。」
「違うの。」
「へ？」
まーくんを見上げると、真剣な顔したまーくんがこちらを見た。
「雪なの。」
「…ゆき？」
「そう。
今日の天気予報は、雪！なの！」
と。
そりゃもう、目をきらきらさせて言う。
「ふぅん。そゆことね。
じゃあ、もう少ししたら雪になんのかね。」
なんて、俺だけだったブランケットをまーくんにかけて、ふたり、ぼんやりと外をみてた。
そのまま、ゆったりとした時間を過ごして。
「「…あ！」」
ふたりの声がハモる。
そう、それはまさに、雨が雪に変わった瞬間。
「雪だ！ニノ、雪！降った！」
「ふふふ、ほんとだ！天気予報、当たり、ですね。」
立ち上がった拍子に落ちたブランケット。
でも、寒いのも忘れて、ふたりで待ちわびた雪を見上げる。
ふわふわと柔らかく舞う雪が、空から降る。
「初雪だ…。」
「綺麗だね、雪。」
「ひゃひゃ。
よかった、ニノと、見れて。」
にっこり笑うまーくんに俺も笑顔を返す。
と。
「「へっくしゅ！」」
くしゃみまで、ハモった。
「寒い！布団戻ろう！
今日休みでしょ？」
「うん。」
「俺、まだまだ時間あるから、もう一眠りしよ？」
まーくんとともにまだほのかに温かさの残る布団に潜り込む。
するりと腰に腕がまわり、鼻先がくっつくまーくんの胸の中は安心するにおい。
まーくんの、布団の、温さが、すぐに眠気を連れてくる。
「起きたら雪、積もってるといいね。
雪だるまつくろうね。」
って、楽しそうに言うまーくんの声が子守唄になる。
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さっちょんぬ(プロフ) - みーこさん» →そういうのは難しいのか…。わたしには想像もできない世界ですが、ラブアンドピースがいちばん！みーこさん、お言葉、ありがとうございます！感動…なお話！？（笑）ゆるく、よろしくお願いしまーす(*'▽'*) (2018年1月11日 3時) (
レス) id: f21edf09fb (このIDを非表示/違反報告)
さっちょんぬ(プロフ) - みーこさん» そう考えると神秘といいますか、本当に不思議ですよね。こーゆーことにみんなが気づいて耳を傾けたら、争いもなく幸せな世界になるのかな…。争うんじゃなくて、もっと平和なやり方で歩み寄れるはずと思っちゃうんですけどね。規模が大きいと→ (2018年1月11日 3時) (レス) id: f21edf09fb (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 待ってます。 (2018年1月8日 12時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 実は子供は魂が行き場所を自分で選択する、と渡米中に言ってたアメリカ人が居ましたね。あからさまに恵まれない悲劇や不遇の人生を歩む人々がなぜ出てくるのか、は私には判りませんが、ひょっとして、生前の行いとかが影響して来るのかなと思います。今年も沢山の感動 (2018年1月8日 12時) (レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
さっちょんぬ(プロフ) - さくらさん» さくらんらん！お返事するのすっかり忘れたうっかり者をゆるしてー！無効になっちゃうやつね！わたしもよくやる！ありがとうー！！ふわっもした空気のお話がね、書きたくなったんだろうね…←時間経ってしまったからよく覚えてない（笑） (2017年12月29日 13時) (レス) id: f21edf09fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっちょんぬ
作成日時：2016年10月22日 17時
