その血の運命 (ページ9)

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親切なセドリックのおかげでジャックはなんとかプラットホームに抜けることができた。

マグル界より古ぼけた雰囲気の駅にジャックは思わず笑みをこぼした。

『(なんだろう、すごくワクワクするこんなにワクワクするの初めてだ)』

ジャックはセドリックに礼を言い、期待を胸に列車に乗り込み空いているコーパメントに入った。

多くもない荷物を足元に置き1人駅を眺めていると、四人組がコーパメントに入ってきた。
扉を開けた男の子は

「わっ、ごめん人がいると思わなくて、ちゃんと確認すればよかった」
と謝った。おしゃべりに夢中で気が付かなかったようだ。

『あぁ、別に問題ないよ。えっと、4人組なの？』

「えっと、実はそうなんだ。」

ジャックはこの狭めのコーパメントに五人は御免だった。

『なら私は別のところに移動するからここどうぞ。1人は簡単に見つかるが、4人は早々ないだろうから。』

「え、そんな！悪いよ!」

ジャックはその男の子たちの顔を一人一人見た後に、荷物を持ち、先頭の子の肩に手を置きながら

『カッコつけさせてくれ。君たちは気にしなくていいよ』
と微笑んだ。

男の子たちは感謝しながら自己紹介だけをして別れた。
彼らは、アンソニー・ゴールドスタイン、マイケル・コーナー、アーニー・マクミラン、ジャスティン・フィンチ・フレッチリーと名乗った。

覚えられたら覚えておこう。

ジャックは新たなコーパメントを求めて通路を進むと、1人コーパメントに座るくしゃくしゃ頭の男の子が座っていた。

コンコン

『ここ、いいかな？1人なんだけど迷惑じゃなければ』

すると男の子改めハリーは振り返って、驚いた顔の後に
「ジャック！もちろんいいよ！ここ座って！」
と彼の隣の席を叩いた。
正面でいいのだが、まぁ好意を受け取って隣に座った。

『ありがとう、さっきコーパメントを譲ってしまって下手したら立ったまま学校まで行くところだったよ』

話していると、そろそろ汽車が出る頃らしく、ホームでは別れを惜しんで挨拶をする親子で溢れていた。
ジャックはハリーとその様子を見ていると、さっき自分がくるまでハリーはこれを見ていたのかと気がついた。

『ハリーはああいうの羨ましいと思う？』

「え？うーん、少し思うかな」

『そっかハリーは優しい子だね』
とジャックはハリーの頭をわしゃわしゃと撫でた。

「わっ！急にどうしの？」

『んーん、ただハリーが寂しそうだったから』
とジャックは眉を下げて微笑んだ。