その血の運命 (ページ8)

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ホグワーツ特急ページ8

青空が広がる出掛け日和の日ついには入学の日がやって来た。

今まで孤児院という狭いカゴの中、限られた出会いとなんの面白みもない人生を送って死んでいくと疑わなかったジャックにとって、浮かれるなと言われる方が酷である。

今までの貼り付けたようなジャックの笑みもここ数ヶ月で分かりにくいものの、自然なものに変わって来ている。

この様子なら学校でもうまくやるだろうとギャリックは思った。

「荷物に忘れ物はないかい？」

『もちろん！3度も確認しました、これであった方が驚きですね』

楽しみすぎてなのかジャックはいつもより口数が多く、見ていると自然と笑みが溢れる。

「体に気をつけるんじゃよ、ジャックならどの寮でもうまくやれるさ」

『ついたら手紙を書きますよ寮もね』

「あぁ、そうしておくれ。いってらっしゃい」

『行ってまいります！』

気持ちの良い青空を背にジャックは駅へと向かった。

ジャックは嬉しさと同じくらいに柄にもなく緊張していた。
今まで電車なんてとったこともないし、9と4分の3番線なんて本当にあるのかどうかも定かではないが、たどり着いて見せるという気合いは十分であった。

しかしその気合いも駅に着くとだんだん不安が混ざりはじめた。

『駅ってこんなに人がいるんだ、、、それにやっぱり9と4分の3番線なんてないな、、10番線に行っちゃうもの。
どうしようかな、、、』

戸惑っていると、少し離れたところに同じようなカートを持った家族と思われる男性2人が歩いていた。

『あの、すみません。見たところ目的地が一緒のようですので失礼でなければご一緒しても宜しいですか？恥ずかしながら行き方が分からなくて、、』

すると父親であろう男性が振り向き

「あぁ！新入生かい？もちろん構わないさ
ほら、うちの息子が案内するよ。私は仕事があるからここで！」

『すみません、ありがとうございます』
ジャックは眉を下げ感謝を述べた。
これでひとまず学校には辿り着けそうだ。

息子と呼ばれたジャックよりも背が高い少年と握手を交わす。
「やぁ、僕はセドリック・ディゴリー。」

『失礼しました、ジャックと申します。』

「堅いのはよしてくれ、もっとラフでいいよ」

『そう？ならそうするよ。ありがとう』

「いいんだ、僕もその方が楽だから。駅に行くにはあの柱を抜けていくんだ。一瞬だから大丈夫だよ」

『へぇ、柱を。それは予想もできなかったよ』

「僕の後について来れる？」

『あぁ、問題ない』