その血の運命 (ページ4)

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手紙ページ4

ジャックは魔法界に、正確に言うとギャリックさんの店であるオリバンダーの杖店に引っ越して来て数ヶ月経った今わかったことが主に２つある。
１つは、魔法使いの中でもギャリックさんは少し変わっているということ。
もう１つは自分の魔力が思ったよりも強くコントロールが難しいということだ。

魔法界に初めて来た時はとにかく驚きの連続で一日中興奮してしまいその日は泥のように眠りについた。特にオリバンダーの店はダイアゴン横丁という面白おかしな店が多く並ぶ商店街にあるため毎日飽きることなど知らず未知の発見でいっぱいであった。
最近では日中は1人でフローリシュ・アンド・ブロッツという本屋まで行き立ち読みにふけって、箒を眺めて帰路に着くことが大体であった。

この世界は面白おかしいことで溢れている。
中でもジャックがよくわからない価値観だと思ったのは"例のあの人と赤ん坊英雄"の話である。
確かに何もできないはずの赤ん坊が魔法界を恐怖に陥れていた闇の帝王を打ち破ったという点では武勇伝であり、賞賛されるべきなのかもしれない。しかし両親を亡くし何も知らぬ間に英雄とされているその子はなんだか気の毒に思えるとジャックは思ったのだ。
ジャックも早くのうちに両親を亡くしている。祖父に聞いた話は部分的で細部までは聞いたことがなく、"多くの人のために誇り高いことをしたのだ"としか知らない。
しかし聞いた当初は、自身をおいて死んでしまうほど大切な用事はなんだったのか、どうして一緒に生きてくれなかったのかと幼いながらによく考えたものだ。
そう言った点では、大人びておとなしいジャックはまだまだ子供なのだろう。

そんなある日オリバンダーの店に一通の手紙が届いた。
待ちに待った魔法学校ホグワーツからの入学許可書である。

『わっ、わ！ギャ、ギャリックさん！！私、私本当に魔女だった！！嘘じゃなかった！！』

「おやおや、ワシが嘘をついていたような言い草じゃのおめでとうジャック」

『っはい！私、今まででないくらいワクワクしてる、、、』

「今日買いに行くのは急すぎるからの、明日以降好きな時に買いに行きなさい。必要なものはこのダイアゴン横丁でそろう。なぁに急ぐ必要はないさ」

『ふふそうですね、でも楽しみすぎるから明日買いに行きます！』

「はは！そうかそうか」

ジャックはその日楽しみすぎてあまり寝られなかった。