その血の運命 (ページ21)

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胡蝶の夢ページ21

ジャックは辺りを見渡しながらゆっくりと歩み出し、探索してみることにした。

するとしばらくして湖に着いた。反射してエメラルドグリーンに輝く湖は見たことがないほど神秘的で美しい眺めだった。

ふと先の方に人影が見えた。ジャックはその人影に向かっていく。
　
しかしその足は数百メートル離れた位置で止まった。

今まで自分以外見たことのないシルバーピンクの髪をなびかせ、楽しそうに宙を舞い遊んでいる女性。

ジャックは目を見開いた。
その女性の背には絵本でしか見たことのない妖精の羽と呼ぶに相応しい神秘的な羽が存在していたからだ。

『きれい、、、』

顔はハッキリ見えないその女性に目を奪われていると、女性の近くの林から1人の男が顔から飛び込むように転がり込んできた。

『うわぁ、すごく痛そう』

そう言った直後その男性の顔を見てジャックは息を呑んだ。

　

　 "え、父さん？"

男の顔を見た途端

視界は歪み白い光に包まれ

女性が男に手を差し伸べているシーンがゆっくりと流れ

リ「じゃ、、く、、

　

　、ジャッ、、た、ら、、
　

　ジャック！！！起きて!!!」

『うわっ！』

リ「あ！やっと起きた！そろそろ朝食行かないと授業遅れちゃうよ？」

『え？あ、ごめん！ありがとう』

リ「珍しいね、寝坊なんて」

『そう、だね。不思議な夢をみてて、、』

リ「それより行きましょ!」

『うん、そうだね』

『(あれは、いったい何だったんだろう、、、)』

ジャックは今見た夢の内容に気を取られ午前中の授業はほとんど集中できなかった。

アンソニーとマイケルと昼食を食べてる時もジャックはどことなくぼんやりとしていた。

ア「ねぇ、ジャック何かあったの？」

　

『え？なに？』

マ「なんかあったのかーって！」

『あぁ別に、夢見が悪かった？とかかな』

ア「珍しいね。でも、夢でそこまでぼんやりする？」

マ「わかった

　恋だな」

　『え？』

マ「で？誰なんだよ!」

『いや、全く違うんだが』

ア「恥ずかしいのかもよ？」

『いやだから見当違いもいいところだって』

マ「おいおい！俺たちの仲だろ！」

『その口ひん曲げて縫ってあげようか』

「「すまん」」

くだらない話をしているとジャックはいつのまにかいつもの調子に戻り、アンソニーとマイケルはほくそ笑んだ。