その血の運命 (ページ20)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:205 hit

＊ページ20

ハリーとマルフォイの仲の悪さは噂では聞いていたが、本人から聞くとなんとも子供っぽいやり取りでジャックは微笑んで『そっかそっか』と聞いていた。

　何故マルフォイがそこまでハリーを目の敵にするのかは分からないが、この2人に仲良くしろと言うのも無駄なのだろう。
　ロンに至っては過激派のマルフォイアンチである。見てる限りお互い様って感じだが。

　お茶会が終わり、3人で校舎への帰路に着いているときそんなことを考えていた。

『今日は本当に楽しかったよ、
誘ってくれてありがとうハリー！ロンもね』

ハ「ううん！あのさ、ジャック、、」

『ん、なに？』

ハ「寮は違くなっちゃったけど、これからも仲良くしてくれる、？」

『あぁハリー、そんなこと言わなくても私はとっくにそのつもりだったよ！
君が困っている時はいつでも力になるし、気軽に話そう！もちろんロンもね』

ロ「！あ、うん！」

『2人とも本当にありがとね、じゃぁまた！』

ジャックはレイブンクロー塔に1人帰って行った。

部屋に戻るとリサやパドマからカードゲームに誘われたが断って自分のベッドのカーテンをしめた。

　ジャックはお茶会が終わってからもう一つ考えていることがあった。

自分の両親についてだ。

　知る勇気がないと言っても知りたくないわけじゃない。
むしろ知りたいくらいだが、自分の両親を少しでも憎んでしまった過去が後ろめたくてなかなか一歩を踏み出せないでいるだけだ。

　父、カルミア・オリバンダーのことはハグリッドから軽く教えてもらえた。
　魔法生物の研究、特に妖精族について専門家として活躍していたと話を聞いた。

　母、フロウについては外見くらいしか聞いたことがない。
　何故皆母のことを話そうとしないのかジャックは違和感と少しの恐怖を抱いていた。
　犯罪者じゃないのは確かだが、話したくないような人だったのだろうか、と。

　ジャックはベッドの天板を見つめながら自身の髪を2、3度撫で、両親の形見として持っていたペンダントをボーッと眺めた。

　最近親を知ったと言っても、同じような境遇のハリーは自分の両親に誇りを持っている。
　何故こんなにも自分は素直に受け入れられないのか。
そんなモヤモヤとした気持ちを抱きながら眠りについた。

ふわりとした感覚のあとジャックは目をゆっくりと開けた。
そしてすぐに思った。

"あぁ、これ夢か。"

ジャックが立っていたのはどこか北欧の森だった。