Извините меня, сэр? (ページ1)

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序章【流星群】ページ1

白と黒で染められた部屋の壁に無造作に掛けられたカレンダーは2XXX年のページを開かれており、ベッドの横にある針の無い時計は12月24日、23時50分を指していた。

パラパラという紙と紙同士が擦れ合う音と自分の控えめな息遣いがこうも静かだと、逆にうるさく、目立って仕方ない

ふと、視界の端を何かが光って流れた。

ベッドに座ったまま本を閉じ、後ろを向いて窓の外を見る
流星だ

付けていた蛍光灯をリモコンで切り、後ろを向く

瞬きをする暇もなく流れるその群流星は、本に載っていた写真よりも、幾分綺麗に見えた
暗闇に散るそれは、一瞬で消え、また別の流星が姿を現す

ロマンチックとかは分からないが、何故かずっと見ていられるのだ

「終わった……。」

群流星は全て流れ切ってしまったのか、もう姿を現すことは無かった。
このような自然の物は蛍光灯の光を遮断して見た方がより一層綺麗に見えると思う

それに、夜眼が効くため、そんなに不便ではない
寧ろ、眩しい光がなくって好都合だ

いつもはカーテンで見えない窓も、少しは朝日を浴びろと母に言われ、仕方なく開けていた。
とっとと閉めてしまおうと思ったものの、あの本が読みたい、この本も読みたいと読み漁るうちに今に至る
すっかりと忘れてしまっていたカーテンを閉めようと思い後ろを向いて群流星に目を奪われた。

我ながら変わり気が激し過ぎる

今日はもう寝てしまおう
そう思い、腰を上げずベットに潜り込む
ふと、右目に違和感を感じた。
なんだか視界が狭く、いつも以上に暗い気がする

しかし、暗闇の中に居り、ピンで留めていない前髪の所為だと結論付け、再びベットへ潜る
ひんやりと少し寒いが、些か仕方がない。時期に温かくなるのだ
いつもは眠りにつくまで時間が掛かるのだが、今日は直ぐに瞼が重くなり、そのまま目を閉じた。

時計の針は12月24日23時59分を指し、無造作に積まれた本の一番上にある分厚い本の栞は”サルナシ”のページに差し込まれていた。