好きって、言って欲しかった

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私の異能は、人を殺 した分だけ美しく成れると云うもの

この異能に気付く前、私はとても醜く、周りの人間から汚物を見るような目で見られて居た


異能に気づいたのは、首領だった

ある日の事だ

事務的な仕事が多かった私に、人を殺す事を命じられた

人の命を奪う事にはとても抵抗があった

だがそれは命令

ポートマフィアに勤めているならばその命は果たさなくてはいけない

私は泣きながらその人を殺した
ごめんなさい、ごめんなさい、と


その任務から帰って来て、報告をする為に首領の部屋に行くと、首領は私の変化に気がついた


「君、少し変わったんじゃないかい？」


そんな言葉と共に手鏡を渡される

自分の醜い顔を他人の前で覗き込むのには抵抗があったが、私はその鏡を見た


するとそこにあったのは

二重でぱっちりとした目
少し高くなった鼻
白いすべすべとした肌
血色の良い唇


前の私とは全く違う、誰かが写って居た
初めは鏡に映っている自分が誰だかわからなかったくらいだ

首領は云った

「君の異能は、人を殺 す度に美しくなる、と云うものだね」

私はその言葉を聞いて泣いた

人を殺さないといけないなんて、
なんて云う道徳的な理由ではない

私も美しく成れるのか、
と云う自己的な物だ

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