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彼の唇が少しだけ離れて
それでもすぐに囚われてしまいそうな距離で…
「……Aが、どんな想いで別れようってゆうてくれたんか、
ホンマは考えんとあかんのやろうけど…」
「そんなこと考えてとる、余裕…ないねん」
そういって、泣きそうな瞳で
また唇を重ねてくれようと近づく…
「隆平くんッ…」
貴方はわかってない…
そのワガママな強引さも、涙の溜まった瞳も
離さないって言ってるみたいな、私の手首を掴む強い指先も…
私をどんなに苦しめているか…
どんなに私の決心を揺らがせているのか…
全然わかってない
「…隆平くんは、…ッわかってないんだよ!」
「…」
「この病気がこの先どんな風になっていくのか、そのサポートがどんなに大変か、隆平くんは、何にもわかってないじゃないっ!!」
こんな風に別れるなんて
嫌だったのに…
張りつめた感情を抑えられなくて、
目の前の大切で大切で…大好きな人に
どうしようもない感情をぶつけるみたいに
「そんな姿で隆平くんの側になんていられない!いられるわけないじゃないっ!
もうほっといて!
私は一人で…「そんなん知らんわっ!!」
初めて聞く、隆平くんの怒鳴り声
「Aが教えてくれな!!何もわからんやんかッ!」
隆平くんは…
泣いていた
「Aの方こそ何もわかってへんッ!!」
「俺が…Aの病気の事聞いて、怖じ気づくとでも思った?迷惑やって、負担やって感じるとでも思ったん!?」
「Aの方こそ、全然何もわかってへんやんか」
だって…
だって、貴方は優しいから
どうしようもなく、優しいから…
「A、勘違いしてるわ」
「え、」
「どうせ、俺が本心言いだせへんやろうからとか思てたんやろ?」
「…」
図星をつかれて
黙る私
「ホンマ、わかってへんわ…」
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SCCS(プロフ) - やっぱりココナッツさんは天才だと思いまーす! (2019年7月6日 1時) (レス) id: 80da970007 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ももさん» いろんな前向きワードがありますが、彼らだからこそ、その言葉の中にいろんな想いが詰め込まれてる気がして、私にはぐっとくる事が多いんです。ももさんにもこれからずっとずっとエイトのパワーが力を与えてくれますように!!(偉そうな言い方になってたらごめんなさい) (2018年9月5日 15時) (レス) id: d0c3580366 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ももさん» はじめまして!まず、このお話が大好きと言っていただけてありがとうございます!ももさんの元気の源にカケラにでもなれたなら、こんなに嬉しい事はありません!むしろありがとうございます!私も何度も彼らに助けてもらいました。前向きに、楽しんだもん勝ち、一歩先へ (2018年9月5日 15時) (レス) id: d0c3580366 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 全てを投げ出したくなる時があります。もう片方の耳も悪くなってきていて、不安で潰れそうです。でも、関ジャニ∞に元気をもらって、毎日頑張っていきたいと思います。長々とすみませんでした。これからも更新楽しみにしています。 (2018年9月5日 4時) (レス) id: 888490902b (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - フォローも自然にしてくれそうなイメージです。この小説でも、そんなふうにすべてを受け止めてくれるかんじが伝わってきて、私もいつかそんな人と巡り逢えたらなと思いました。私の病気は難聴に加えて目眩や耳鳴りがあるし、片耳なところも中途半端でそこが辛くて (2018年9月5日 4時) (レス) id: 888490902b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒカリ.こと、ココナッツ x他1人 | 作成日時:2017年7月28日 15時