雲戦 ページ47
「昨日いたあの機械って強いの？」
「強いですよ。でも、雲雀先輩の足元にも及ばないですね。それよりもゴーラ・モスカの上にいるXANXUSや天才といわれているベルフェゴールを相手にする方が楽しいと思いますよ」
Aがくすりと笑う。
グラウンドには既に人は集まっていた。
「群れてる。目障りだ、消えないと殺すよ」
「なんだその物言いは！ 極限にプンスカだぞ！！」
「まーまー落ち着けって。気にすんなヒバリ、なっ」
「雲雀先輩」
「……フン」
雲戦のために用意された戦闘フィールドはクラウドグラウンド。
「雲の守護者の使命とは何ものにもとらわれることなく独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲」
「ゆえに最も過酷なフィールドを用意しました。四方は有刺鉄線で囲まれ、８門の自動砲台が３０メートル以内の動く物体に反応し攻撃します。また地中には重量感知識のトラップが無数に設置され、警報音の直後爆発します」
用意されたものはまるで戦場ともいえるようなものだた。
「怖けりゃ逃げろ。てめーらのボスのようにな」
「ししし」
「ふざけんな！！ １０代目は逃げたんじゃねえ！！」
「ツナは来る必要ねえのさ、ヒバリはうちのエースだからな。あいつは負けねーって」
「何を？」
「エース……ぶはーっはっはっ！ そいつぁ楽しみだ！」
「A、あれが？」
「はい、そうです」
「ふぅん……あれがね」
ゴーラ・モスカと雲雀がクラウドグラウンドに立つ。
「それでは始めます。雲のリングゴーラ・モスカVS雲雀恭弥
派手にブーストし、宙を飛んだゴーラ・モスカを雲雀は一瞬のうちに破壊して倒してしまう。
「ゴーラ・モスカがいくら強かろうが雲雀先輩は眼中にないんだよ」
倒れたゴーラ・モスカが爆発する。
雲雀は雲のリングを完成させた。
「これAに渡しておいて、いらない」
「へ？ あの……」
「ヒバリのヤロー、何考えてんだ？ もうバトルは終わったのに」
「流石にあれじゃ物足りないっていうか……見てるのはこの場で一番強い人っていうか……」
「それって……」
呆れたように、それでいて嬉しそうにAは雲雀を見る。
「さあ降りておいでよ、サル山のボス猿を咬み殺さないと帰れないよ」
「なぬ！」
「なぬじゃねーよタコ。それ以前にこの争奪戦、オレらの負け越しじゃん。あっちが勝ったらあの風のアルコバレーノも持ってかれっし。どーすんだよ、ボース」
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作者名：うがつ | 作成日時：2022年9月22日 23時
