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「これでいいですか？」
「……――霧のリングはクローム髑髏のものとなりましたので、この勝負の勝者はクローム髑髏とします」
「あのバイパーが……」
「粉々かよ」
「そんな、そこまでしなくても……」
「この期に及んで敵に情けをかけるとは……どこまでも甘い男ですね。沢田綱吉。心配無用、と言っておきましょう」
骸曰く、マーモンは最初から逃走用のエネルギーは使わないつもりだったらしい。
「抜け目のないアルコバレーノだ」
事のすべてを見届けたザンザスがゴーラ・モスカに１つ命令した。
「争奪戦後、マーモンを消せ」
ゴーラ・モスカは依然プシュウと音を立てるだけである。
「全く君はマフィアの闇そのものですね。XANXUS。君の考えている恐ろしい企てには僕すら畏怖の念を感じますよ」
XANXUSの眉がほんの僅かだけ動く。
「何、その話に首を突っ込むつもりはありませんよ。僕はいい人間ではありませんからね。ただ１つ、僕より小さく弱いもう１人の後継者候補を、あまり弄ばない方がいい」
骸はXANXUSの睨みに怯むことはなく、千種と犬の方へと体を向けて歩きだした。
「てめえ！ どの面下げてきやがった！」
「おい！ 獄寺！」
「お、押さえてください雲雀先輩！ 今の骸は完全な状態じゃないんです！」
「それくらい警戒したほうがいいでしょうねぇ。僕もマフィアなどと慣れ合うつもりはない。僕が霧の守護者になったのは君の体を乗っ取るのに都合がいいからですよ、沢田綱吉」
「なっ、やはりてめえっ！」
「あっちょっと、待って獄寺君！！」
ツナが獄寺を止め、骸の方をしっかりと見る。
「ありがとう」
「……少々、疲れました……この子を……」
骸がふらりと倒れたかと思えば、その体はクロームのものに戻っていた。
「また女になったぞ。どうなっている」
「……」
「戻った」
「今の骸はクロームの体を借りている状態なんです。だから多分、またしばらくは彼女のままでこっちに姿を現すことは出来ないと思います」
「そう。終わったんだから帰るよ」
「でも……」
「最後の対戦カードを発表します」
「え？ どうして……今日の対戦に勝ったから４対３になったのに……」
ツナの問いに、チェルベッロが淡々と答える。
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作者名：うがつ | 作成日時：2022年9月22日 23時
