輪廻の果てより ページ43
「クフフ、クフフフ……」
「ムム? 男の声……?」
一瞬呆気にとられたマーモンが吹き飛ばされる。
「クフフフ、随分粋がっているじゃありませんか。マフィア風情が」
「六道骸……」
「お久しぶりです。舞い戻ってきましたよ……輪廻の果てより」
「奴が霧の守護者の正体なのかコラ」
「……ウム、六道骸。どこかで聞いた名だと思ったが思い出したよ。確かひと月程前だ。
マーモンは脱走は失敗に終わったはずだと言う。
脱走の困難な、光も音も届かない最下層の牢獄にぶち込まれたはずだと。
「クフフフ、ボンゴレが誇る特殊暗殺部隊ヴァリアーの情報網もたかが知れてますね」
「ム」
「現に僕はここに在る」
「面倒くさいやつだなぁ。いいよ、はっきりさせよう。君は女についた幻覚だろ」
「おや」
吹雪が巻き起こり、六道骸の体が凍り付いていく。
現れた骸が幻覚なのかそうでないのか、全員がちゃんとした確信を持てないままマーモンに蓮の花が全身に絡む。
「クフフフ、誰が幻覚ですか?」
「ムグ! なんて力だ……! く、苦しい……」
「うわ……あいつ何者?」
思わずヴァリアー側にいたベルフェゴールがどこか驚いたように言葉を紡ぐ。
「あのバイパーを圧倒してるぜ」
「あれがツナの霧の守護者、六道骸だ」
「やっぱり本物なんだ……」
「しかし、だとしたらさっきまでの女はどうなるんですか」
「クロームも骸も同じなんだよ」
「え?」
「あの2人は2人で1人、一心同体なんだよ」
Aの言葉にリボーンが頷く。
「クロームがいるから骸は存在し、骸がいるからクロームは生きていられるんだ」
「い、意味わかんないよ」
リボーンがぼそりと「今はこうするしかない」と呟いた。
「さあ、どうします? アルコバレーノ。のろのろしているとグサリ、ですよ」
「ッ、図に乗るな!!」
「惰弱な」
「格闘の出来る術士なんて邪道だぞ! 輪廻だって僕は認めるものか!」
「ほう」
「人間は何度も同じ人生を無限に繰り返すのさ。だから僕は集めるんだ! 金をね!!」
マーモンは力を全開にした。そうでもしないと骸に対抗できないからだろう。
体育館は完全に形を変えてしまっている。
雲雀がAの腕を掴み、自分から離れないようにする。
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月22日 23時