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雷戦 ページ24

次の日の夜。晴戦の時と同じくらいの時間にAは並盛中に着いた。

身に付けていたローブは水も弾くため、Aは昨日と同じ格好をしていた。

今日の戦闘エリアは屋上のためあまり身を隠せるところがないな、なんてAは思っていた。


(ひとまずここに隠れていよう……バレたら……うん、バレたとき考えよう)


すぐに23時は来る。


「今宵の戦闘エリアは雷の守護者戦に相応しい避雷針のエリア。名付けて"エレットゥリコサーキット"」


雷が避雷針に落ち、フィールド全体が光る。

エレットゥリコサーキットの床には特殊な導体が張り巡らされているらしく、避雷針に落ちた電流は何倍にも増幅され、駆け巡る仕組みになっているという。


「そんな、立ってるだけで焦げ死んじゃうよ!」

「あいつら今日が雷雨だと知っててこのカードを組んだな……?」

「ランボさんあれやるー!」

「遊園地のアトラクションか何かだと思ってる!! ちょっと待てランボ! 危ないから、ああ、また何か落として……」

「ったく10代目を煩わせんじゃねえ! 貸せ」


獄寺はランボが落としたツノにランボの名前、ではなく「アホ牛」と書いて手渡した。


「かみなりの守護者は中央へ、対戦相手は2時間前からお待ちです」

「に、2時間も!? あ! で、出た〜〜!!」


また円陣を組み、ランボが中央の方へと駆けて行こうとするのをツナが引き留める。


「ランボ、ちゃんと聞いて。嫌なら行かなくていいんだぞ。父さんがどんなつもりで決めたか知らないけど、お前みたいなチビが戦うのはやっぱりおかしいよ……お前だってまだ死にたくないだろ?」

「あららのら、ツナ知らないの? ランボさんは無敵だから死なないよ」

「なあ!?」

「じゃーねー」


てててっとランボは中央へと走った。


「それでは雷のリングレヴィ・ア・タンVSランボ、勝負開始!!」

「どーやって遊ぶのかなあ」


なんとも言えない、シュールな画だった。

ランボの立っているところは床に張り巡らされている導体の上で、雷が来ればすぐに感電死してしまう。

この先を知っているとしても見てられない。Aはこの場に来たことを後悔した。


(それでも見ないと。何かがズレたら私が直さないといけないんだから)


ゴロロロ、という音がした次の瞬間、雷は避雷針に落ちてランボの体にすさまじほどの電流が走った。

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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月22日 23時

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