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「間違いありません。正真正銘の晴のハーフボンゴレリングと確認しました」
リングへと上がった両者の指輪をチェルベッロが確認する。
そして試合が始まる直前、その指輪は首から下げられることになる。そして相手を倒し、指輪を奪った者が勝者となる。これは全試合を通して統一されるルールだ。
上着を脱いだ了平の肉体を見てヴァリアーのルッスーリアは嬉しそうな声を出す。
「よく見りゃあなたいい
「なに!?」
「あいつ今……何て言いました!?」
「さ……さあ……?」
「お持ち帰り決定♡」
「何を言っている!」
「滅多にいないよ。ルッスーリアのお眼鏡にかなう奴なんて……」
「あのガキついてないな……」
〈可哀想……〉
Aは心の底から了平に同情した。
「さっきから何を言っているかわからんが、俺は正々堂々戦うだけだ」
「んまあ、そのポーズはボクシングかしら♡ またいけてないわね――このルッスーリアが立ち技最強のムエタイで遊んであげる」
上着を脱ぎながら言う。晴の守護者になる者は主に拳や足などを使う格闘家が多い。
ファミリーを襲う逆境を自らの肉体で砕き明るく照らす日輪となる、それが晴の守護者の使命だからだろうか。
「では晴のリングルッスーリアVS笹川了平、
「貴様! ボクシングへの侮辱は許さんぞ」
「んっふふっ」
ルッスーリアが笑うと同時にリングが光り出す。
正確にはリングに備え付けられていた大量のライトが一斉に点いただけなのだが。それでもかなりの明るさだ。
遠くにいたAもローブで顔を覆われているというのに思わず目を瞑ってしまった。
しっかりと試合を見届けるためにも、持ってきたサングラスを身に付けた。
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月22日 23時