【REBORN!】調整役とやらに選ばれました【ヴァリアー編】 (ページ31)

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雨戦ページ31

その日のAは１人ではなかった。屋上の貯水タンクの上、雲雀とAはそこにいた。

勝負の様子は壁に設置された巨大スクリーンに映し出されるため、多少遠くても問題はなかった。

そのためAも一応ローブで顔は隠しているが、変声機で大きく声を変えることはしていなかった。

「一応どこで修行してるかはロマーリオさんに教えてもらっていたし、現場にも居合わせてましたけど、雲雀先輩本当に強くなりましたね」

「僕はただあの男を咬み殺したかっただけだから」

「わかってます。山本君大丈夫かな」

「……皆殺しにすれば早いのに」

「そうできないのがリング争奪戦なんですよ」

「君の番はまだ来てないんだよね」

「はい。次かその次くらいかな、ってなんとなく思ってます」

「君は結構強いからあまり心配はしてないけど、怪我したら許さないから」

「絶対に怪我しないとは言い切れません」

「君…………ん？霧……？」

「スクリーンが見にくいですね、あまり不自然にならない程度に晴らします」

「うん」

＊＊＊

「山本武、昨日も思ったけどかなり強くなってる」

「そうですね。もともとセンスは良かったと思うんですけど、あそこまで伸びるなんて。よっぽど山本君のお父さんは、師匠は腕のいい人だったんでしょうね」

「ふぅん。君の師匠は？」

「私の師匠もとってもいい人ですよ。たった１時間だけで教えるべきことをすべて私につぎ込んでくれました」

「へぇ」

嬉しそうに話すAが可愛らしく見えたが、それと同じくらい彼女の師匠とやらが気になった雲雀だった。