豆知識 ページ15
「え？」
「どうしたの？ もしかしてその足の怪我歩けないほど痛い？」
「だっ大丈夫！」
「そっか、よかった」
どこか安心したような顔をするが、依然としてその手は繋がれたままである。
当たり前のように手を繋いで歩くAにツナは驚きっぱなしであった。
一方Aはツナがダメダメなのは知っているが、だからといって怪我を負わせていいわけではないし、いじめなんてもってのほか。そう思っていた。
保健室に入ると保健室の先生はいなかった。たまたま保健室を留守にしているのだろうか？ 職員室の方に行ってもよかったのだが、ツナの怪我を放置するわけにもいかず、勝手に道具を使ったことを書き置きなりすることにして、ツナの怪我の処置をすることにした。
「先生いないけど怪我の処置しよう。沢田君は怪我したところ水で洗ってて。私は絆創膏探すから」
「う、うん」
ツナの怪我したところに合うものを探しているAを横目に、ツナは言われた通り怪我をしたところを水で洗う。
「イテッ……」
思わずそんなが出たが、和音は馬鹿にするでもなく眉を少しだけ八の字にしながら我慢してねと言った。
「だ、大丈夫。消毒するより痛くないから」
「確かにね。でも擦り傷に消毒すると怪我の治りが遅くなるらしいよ？」
「そうなの！？」
「うん。感染を起こしていたら消毒する必要はあるかもしれないけど、それ以外だったら石鹸で綺麗に洗うだけで大丈夫なんだよ。傷を洗えない理由があったら消毒してもいいと思うけど……」
「そうなんだ……」
「専門的なことはわからないけどね。洗い終わった？」
「うん」
「じゃあここに座って。絆創膏貼るから」
ツナが怪我をしたところに救急絆創膏を貼りながら先ほど話したようなことをツナに教える。ツナが素直に驚いてうんうんと頷いてくれるのが嬉しくて、ついペラペラと話してしまう。
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作者名：うがつ | 作成日時：2022年9月18日 16時
