帰らなければ ページ1
10年後、正式には9年と10か月ちょっと。
未来のツナが作らせたボンゴレアジトに10年前のツナたちがいた。
ハルや京子たちがボンゴレやマフィアのことを伏せてはいるが、リボーンから未来のことについて教えられる。
「いやですこんなの〜……10年後の世界が、こんなにデストロイだなんて……」
「ハル……!」
ぽろぽろと涙を流してツナのいる医療室の扉を開けた。
泣いているハルの傍にいる京子の顔も真っ青だった。
「ツナく……」
「ツナさん! ハルは平和な並盛に帰りたいです!!」
「……!」
ツナに抱き着きながらハルはそう言った。
ツナの心の中にじわじわと1つの思いが膨れ上がっていく。
「ハル、京子、こいつを飲め。落ち着くぞ。特性ハーブティーだ」
「ありがとう、リボーン君」
「それと、さっき話したお前たちに任せたいことだ。読んでおいてくれ」
「リボーン!!」
その場にびりびりと響くツナの声。
「オレ……」
「……わかったぞ。ツナと獄寺と山本と話をする。ハルと京子は席を外してくれ」
「うん、いこ。ハルちゃん」
「はい」
2人が部屋から出てしばらくしてからリボーンは口を開く。
「京子とハルには今ヤバい状況にあるということだけ伝えたぞ。マフィアやボンゴレのことは一切話してないからな」
「…………帰さなきゃ。皆をこんな所にいさせられない! なんとしても過去に帰さなきゃ!! もう生き延びるとかそんな問題じゃないよ! そんな問題じゃ!」
「お、おい、ツナ!」
「落ち着いてください、10代目!」
「大分錯乱してるな……」
「ちっ、違うよ! もうここで守護者を集めるとか、そんなのんびりしてる場合じゃないって言ってんだ!!」
どんなにツナがそんなことを言っても、守護者を集めることは避けては通れない道だ。
――守護者は集合、ボンゴレリングにて白蘭を退け写真の眼鏡の男消すべし。すべては元に戻る。
10年後の獄寺がG文字で残した文書だ。
その文面通り守護者を集め、眼鏡の男を消せばすべては元に戻るのだ。
過去に帰ることができる。
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年10月10日 16時