五十 ページ10
「ではこれで、禰豆子が人を襲わない事の証明ができたね。炭治郎、それでもまだ禰豆子の事を快く思わない者もいるだろう。炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として戦える事を証明しなければならないよ。」
ここで、炭治郎は初めて自発的に跪いた。
「俺と…俺と禰豆子は、鬼舞辻無惨を倒します!!!」
「今の炭治郎には出来ないから、まずは十二鬼月を一人倒そうね。」
炭治郎の顔がかぁっと赤くなり、周囲からはクスクスと声が漏れる。ダメだと思いつつ自分も笑ってしまった。
「鬼殺隊の柱達は当然抜きん出た才能が有る。血を吐くような鍛錬で自らを叩き上げて死線を潜り、十二鬼月をも倒している。」
御館様が一度言葉を切ったタイミングで、Aが言った。
「炭治郎。」
「………っは、はい。」
「炭治郎なら、炭治郎と禰豆子ならきっと倒せるよ。十二鬼月も、鬼舞辻無惨も。」
「…ありがとう、ございます………!」
御館様は優しい笑みをAへ向けた後、言葉を続けた。
「……だからこそ、柱は尊敬され優遇される。炭治郎も口の利き方には気をつけるように。」
「は、はい。」
「炭治郎の話はこれで終わり。下がっていいよ。」
隠が炭治郎を背負う。先程から気になっていたが、彼は相当の怪我を負っているようだ。隠に蝶屋敷へ連れて行くように命じ、一先ず柱裁判は幕を閉じた。
56人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あちゃん | 作成日時:2021年1月10日 19時