恋は盲目愛は無作為【ヴィランズ】 (ページ25)

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２４話ページ25

「えっと・・」

当惑した声を出すゲスト。

そりゃ、困るよね。急にどちらかを選べなんて言われたら。

「マルフィ。女性を困らせてはいけないと

　マレフィセント様に教わらなかったのか」

「私は困らせているつもりなど微塵もないのだが。

　ただ、私かAのどちらかを選んでくれ、と・・」

「私はそれのことを言っているんだ！」

再び私たち２人の間で火花が散る。

すると、先ほどまで悩んでいたゲストがおずおずと声をあげた。

「あの、どっちか１人には決められないんですけど・・」

「つまり、どちらもということですか？」

そう問うと、こくりと頷いた。

その様子を見て、私とマルフィは顔を見合わせ、クスリと笑った。

「ふふっ・・実に素晴らしい解答です！

　では、６６６年後の１０月３１日の深夜１２時、

　タワーオブテラーの最上階でお待ちしています。

　ああ、もちろん１人だけでお越しください」

「相変わらず、手を出すのが速いね・・。

　しょうがない、私は他を当たるとするか」

手鏡片手に颯爽と去っていくマルフィ。

頼むから、帰ってくるなと切に願った。

その後は特に目立ったようなことはなく、時間が過ぎていった。

いつの間にか時間になったようだ。

「今回僕たちは誰も誘えなかったけど、Aは誘えたみたいだな！」

「最後は私たちの挨拶で終わりにしましょう！

　レクチャーはダルメシアにお願いしようかな」

マルフィがダルメシアに振ると、

心底嬉しそうな表情で頷いて、レクチャーを始めた。

「分かったぞ。よし、いいか？

　ハッピーハロウィン、ハッピーヴィランズ！だぞ」

「じゃあ、行きますよ。せーのっ！」

「ハッピーハロウィン、ハッピーヴィランズ！！」

会場にいた全員の声が重なる。

耳がキンキンするが、これも仕事の内だ。

我慢しなければいけない。

「またお会いできる時を楽しみにしていますよ」

「次は親友と一緒にくるからな！

　楽しみにしててくれよー！」

「さようなら！よい１日をお過ごしください」

私は深々と頭を下げて礼をすると、

踵を返してセイリング会場を立ち去った。