恋は盲目愛は無作為【ヴィランズ】 (ページ23)

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２２話ページ23

時間になり、今はセイリングの会場にいる。

相変わらずの黄色い歓声だ。

「おーい、静かにしろー！」

よく通る声のダルメシアが叫ぶと、会場は静かになった。

「私たちは、ディズニーのマスターヴィランズにより派遣されたリクルーターです。

　まず自己紹介を。お前が最初にやれ、鴉」

そう言うと、ゲストたちは笑い声を上げた。

いや、笑うとこじゃないと思うけどね。

「分かったよ。君は最後だぞ。

　私はマレフィセント様がマスターヴィランズのマルフィ。

　嫌いなものはアップルパイと、ここにいる小さいハイエナです」

何だか、とてつもなく失礼な単語が聞こえた気がするが無視する。

「僕はダルメシア。マスターは毛皮大好きクルエラ様だ。

　今回はそこの２人の仲裁役でーす」

「スカー様が主のAです。

　嫌いなものは、うるさいところと、独りになること。

　でもそれ以上に、この自分大好きな鴉が大っ嫌いです」

『大っ嫌い』の部分を強調して言うとゲストはまたケラケラと笑った。

そんなに面白いものなのだろうか。

「私たちがこの人間界にやってきたのは、ほかでもなく

　皆様をヴィランズの世界に招待するためです！」

仕切り直しとでも言わんばかりにマルフィが声を張り上げて言う。

簡単な説明のあと、条件が３つ発表された。

「・・では、招待するにあたり、

　必要な３つのことを教えてもらいましょう！A」

うわ。あいつ何気に面倒なこと振ってきた。

「えーと。容姿端麗！」

「容姿端麗！私のことですね。はい、次！」

さらりと自慢を挟んできたマルフィ。

腹立つな。いつも通りだけど。

「身長最低２ｍ！」

「身長最低２ｍ！Aは条件を満たしていませんが・・。

　まあいいでしょう。はい、最後」

さっきから、好き放題言って・・！

ちょっと仕返ししてやろうかな。

「私より美しい方。いない、撤収！！」

ホックの真似をして踵を返すと案の定、大慌てで

こちらに駆けてきた。

「え、ちょっ・・じょ、冗談はやめてくれよ！」

「あ、マルフィ噛んだ！」

「さすが、『噛み対応』」

そう言うと、再び笑いが巻き起こった。

今回ばかりは、ダルメシアも楽しそうに笑っている。

一方のマルフィはというと頬を赤く染め、鏡で顔を隠していた。

その様子にゲストは悲鳴を上げる。

「いいから、始めるぞ・・！」

マルフィの一言で私たちは、リサーチを開始した。