恋は盲目愛は無作為【ヴィランズ】 (ページ16)

今日:8 hit、昨日:14 hit、合計:31,104 hit

１５話ページ16

「でも、結構難しいんとちゃう？

　問題を起こさなさそうなメンバーを選ぶの」

「最低限、ジャックハートとアップルポイズン、

　マルフィとAは駄目だろうな」

ホックの言葉に、あと、僕とスカーも、とダルメシアが付け加えた。

確かに、それもそうだ。

「じゃあ、エイトフットと僕とマルフィと

　Aとスカーとホックでいいんじゃないか？よし、決定っ！！」

ジャックが１人で勝手に決めようとしていた。

それに異を唱えたのはエイトフットだった。

「待て待て。お前聞いてたか？さっきの話。

　マルフィとAを一緒にしたら絶っ対喧嘩するぞ！」

「その時は、ヨロシクー」

「てめえ、ちょっと表出ろやコラ」

エイトフットは、額に青筋を浮かべながら、ジャックを睨みつけた。

結局は、もうめんどくさいんでそれで、という意見が大多数だったため

ジャックの意見で決定した。

「決まったようだね。じゃあ、出番のある６人は着替えをしてきてくれ」

廊下に出てそれぞれが部屋へと向かう。

その途中、肩を叩かれ振り返ると、ジャックハートがいた。

「ごめんね、A。マルフィと同じにしちゃってさ。

　喧嘩したばっかりなのに」

「あー。やっぱり聞こえてたんですか」

「うん。そりゃもう、ばっちり。ファジャ子の声とかも聞こえてたよ」

ファージャが？なぜ、ここで彼女の名が出てくるんだ。

そんな私の心情を読んだかのように、ジャックが言った。

「あ、いや。知らないんならいいんだ。

　でもさ、マルフィと気まずいままこの先ずっと、ってわけにもいかないだろ？」

そうか。彼には彼なりの考え方があったのか。

エンターテイナー気質の彼は、他人を気遣うのにも長けているらしい。

だが、アップルを例外として、の話だ。

「そうですね。ありがとうございます、ジャック。

　じゃあ、また後で」

自室のドアを開けると、先ほどまで着ていた服を脱ぎ、

ハンガーにかけている途中のマルフィがいた。

「・・・・」

無言でバタンとドアを閉める。

朝からのドタバタ騒ぎですっかり忘れていた。

こいつと同室だった、そういえば。

「部屋に入るときぐらい、ノックをしたらどうだ！」

「はいはい、すいませんでした！！

　とりあえず早く着替えろ！羽むしるぞ！」

私とマルフィの間で木の板一枚を挟んでの口論が始まったのは言うまでもない。