if 白虎と初めの黒い龍 (ページ4)

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1・逆鱗を明かすページ4

他の面子が居ないのを確かめて、若狭は真一郎に問いかけた。
「李里ちゃんのこと好きだろ？なンで告白しねェの？」
「は…なんでそれを！？あっづ！！」
泡を食って煙草を取り落とした真一郎がバタバタと水道で患部を冷やし、一旦息を吐けたところで話を蒸し返す。
「ンで、理由は？」
「…あの娘、まだ未成年(こども)だろ。流石にまだ手ぇ出せねぇって」
まだ、と吐いている時点で、我らが総長はちゃんとあの仔虎のことが好きなのだと知れた。
「あのコかなりモテてるみたいだぜ。横からトンビにかっ拐われて良いン？」
「ぐ…」
「シンちゃんのことを殺しかけた弟のことを引け目に思ってアプローチしてこねェけどオマエのこと大好きだろ。引け目なんか感じなるくらいに可愛がってやったら？」
「…ワカ、なんでそこまで言ってくれるんだ？」
「正直、今のシンちゃん想いを抑えすぎたのがはち切れて凶行に走りそうな雰囲気してたからナ。流石に仲間がパクられんのは嫌だ」
ショックを受けた表情でがっくり項垂れた総長に若狭は男女関係なく惑わせそうな少し緩い表情を向けた。
「あのコと付き合えるかどうかは説得にかかってるだろうナ。ま、頑張れヨ総長」
「…ありがとな…」
心なしかげっそりした真一郎は、煙とため息を同時に吐いた。