if 白虎と初めの黒い龍 (ページ26)

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5・プラチナリングページ26

指輪の交換も恙無く済ませ、食事も摂った。そして、和風では少し珍しいかもしれないブーケトス。
「李里、動きにくそうだけど大丈夫か…？」
「大丈夫。寒月白虎隊の頭目で、雨で貼り付く重たい服で大暴れしたことあるんだよ？平気平気」
未婚の女性陣が集まる。そこの特に一人を目掛けて花束を投げた。ぽす、と力加減ジャストでドレスの袖を纏った腕の中に花束が飛び込んだ。
「え、ウチ！？」
可愛らしく驚いている義妹に李里は歩み寄る。そして耳元に紅を差した口を寄せて、にやにやしながら囁いた。
「龍宮寺君との結婚式にはお義姉ちゃんも絶対呼んでね？」
「もう、リリィってば！」
べしべしと全く痛くない力で肩をしばかれる。その力の弱さも可愛いなぁと思った。
「そこの俺の新婦さん。新郎差し置いて妹とイチャイチャしないでくださーい」
「私の新郎がヤキモチ焼いてるから戻るね」
「んもう！このお惚気カップル！」
うがー！と照れ隠しのように叫んでいるエマにヒラヒラ手を振って新郎の隣に戻った。
「安心してよ、真一郎さん。私が生涯苦楽を共にするって決めたのはあなたなんだし一番好きなのはあなたに決まってるから」
手を取って絵本の中の王子よろしく手の甲に口づけた。
「どっちが嫁か分かんなくなってるナ」
と新郎の友人が言うのを見て李里は思わず笑った。

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