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刀鍛冶の里にて ページ26

玄弥は、ひたすらに人面魚からの攻撃を避けて銃弾を撃ち込んでいた。なんだか効いている気がしない、と焦り掛ける脳内で、ひとつの記憶が急に浮かぶ。
『玄弥くん、外つ国の勇者は壺に入った鬼を殺したこともあるんだってさ』
『は?え?いきなりどうしたんですか?』
『怪しい壺が道端に転がってたら、撃ってみなさいってことだよ』
『からかわないでください!』
『あはは、ごめんごめん』
Aは、冗談だよ、とは言わなかった。合っているかは分からない。だが、やらないよりはやる他ないと肚をくくって、人面魚の背中にある壺に照準を合わせ、引き金を引いた。弾丸は吸い込まれるように壺に当たり、壺は粉々に砕けた。人面魚が断末魔の悲鳴を上げて消滅する。壺を壊せば消滅すると気付いた玄弥は高台に登り、餞別だとAが持たせた横流し品の狙撃銃に持ち替えて、スコープを付け、一発ずつ、里の人面魚の壺を狙撃していく。戦況は、鬼殺隊の優位に傾いていく。
「…大方撃てたかな」
高台から降りて、撃ち漏らしがないか確認しながら拳銃で怪しい道端に落ちている壺を破壊していった。

 大量の壺が割られて、玉壺は窮地に立っていた。壺が弱点などとは誰も思わないだろうと考えていたが、大量に、一気に壺が割られたのだ。
「もしや、あの鳴柱か…!」
以前遭遇した際、躊躇なく礫を指で弾いて壺を破壊した、薄墨色の蜻蛉玉がついた簪で髪を一纏めにした小柄な女の冷徹な笑みが玉壺の脳裏を過った。
「ああ、来たのかもね」
無一郎は無感情に言い放った。実際は来ていない。だが、感情を乱す相手に、ちょうどいいやと思って無一郎はおちょくりをかけた。
「何?上弦の鬼が、たった一人の小柄で力も強くない柱を怖がってるの?柱三人でやっと倒せるとも言われる上弦の鬼が?」
なんでもかんでも、怒ると攻撃は大振りになる。記憶を全て思い出した無一郎は痣を出しながらにやっと笑った。
「案外、大したことないね。壺も全然左右対称じゃなくてへったくそだし」
 果たして、煽りは成功した。血鬼術も、無一郎の剣技で十分に防げてしまう。そして、上弦の伍の首が落ちた。

痣→←茶化すような忠告



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作者名:契 ゐと(元 いときち丸) | 作成日時:2022年8月8日 20時

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