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碧 ページ3
「落ち着いた？」
「…うん。ごめんね。有難う」
目元を赤くしたAは照れくさくなって俯いて礼を言った。
「ううん。どういたしまして。」
柔らかなランプの光に照らされてエペルの碧色の虹彩が宝石のように輝く。
「…綺麗。」
思わず漏れた声にエペルはくすっと笑って一房Aの髪を持ち上げて口付けた。
「柄じゃないけど、きみの方がね。」
「ふふふ、照れくさいね。」
互いの体温が絡む程の距離で笑い合う。
「あ、林檎持ってきたよ。忘れかけてた。」
名残惜しく愛しい温度が離れ、流石ポムフィオーレ寮生と言うべきか中性的な残り香が触れあっていた部分から漂う。袖口を鼻の辺りにやって嗅ぐと使っている洗剤の匂いに混じった香水の香りがくらくらするようだった。
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作者名：契 ゐと（元 いときち丸） | 作成日時：2020年7月18日 1時
