踊り手少女と大人気YouTuber【Fischer's】 (ページ5)

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駐車場でページ5

シルクは恍惚な表情でメロディズムの笑顔の余韻に浸っていた

「シルクめっちゃうっとりしてるじゃん。おーい、シルクー」

マサイが呼び掛けるが反応は無い

「でもさ、めちゃくちゃ可愛くなかった？メロディズム」

「ねー！歌もすっごい上手いし」

「ダンスも！もう俺見習いたいくらいだったもん」

「シルクは……落ち着いてから感想聞こうか。酒飲ませたら語ってくれるかもしれないし」

メンバーはじゃあ呑みに行くかと車に戻ろうとした

シルクはまだ固まったまま

その時、公園の駐車場の植え込みに人影が見えた

「あ……」

アスレチック内で助けた少女だ

ぼんやりと遠くから見つめる

シルクは少女に謎の既視感を覚え、そのまま目で追った

何か彼女に引っ掛かる事がある

音楽を聴いているのか鼻歌を歌っていた

上手いと思って暫く聴いていたがその歌声もどこかで聞いたような覚えがある

この曲は……と考えているうちにシルクの頭の中にあったパズルのピースのようなものが一つ一つ形を成していった

そうだ……もしかしたらあの子は

シルクは急いで少女に駆け寄った

「え？あ、Fischer'sのっ……」

少女は顔を赤くしながらさっきのシルクからの熱い視線を思い出す

「あの、さ……」

シルクは珍しく恥ずかしがりながら少女に聞いた

「は、はい……」

バレないようにかなり時間を置いて裏口から出てきたのに……と少女は頭の片隅に思う

しかし頭の中にはどこか「この人にならバレてもいいかもしれない」と覚悟もあった

「君って……「あらっ？Fischer'sのシルクロードさんじゃない！」

シルクの言葉を遮ったのは少女の、Aのマネージャー

「何？知り合いだったの？」

Aは焦りながらも小さく首を振った

「あ、初めまして……Fischer'sのシルクロードです」

「は、初めまして、メロディズム……です」

二人はぎこちなくお辞儀をし合う

「初めまして。メロディズムのマネージャーです。そうだ！メロディズム、Fischer'sさんと親睦を深めるためにもお食事なんてどうかしら？」

「「えっ？」」

「だって、知り合いは多い方がいいでしょ？シルクロードさん、いいですか？」

「あっ！全然大丈夫です！もう暗いし……一緒にご飯食べたら家まで送っていきますね！」

「そうですか！よろしくお願いします！行ってらっしゃい、メロディズム！」

シルクとAはただひたすら困惑しながらンダホ号へと向かった