踊り手少女と大人気YouTuber【Fischer's】

違和感 ページ16

待って。待って待って待って待って


俺今なんて言った？


普通にするりと出てきた「可愛い」って言葉


多分元カノにも恥ずかしくて言ってないわ


俺は自分でもびっくりして、隣のマサイとンダホに視線をやった


マサイもンダホも「お前どうした？」って顔で見つめてくる


本当に俺、どうしちゃったんだろ……


マサイはメロディズムちゃんをチラッと見て俺に視線で訴えた


「今、下向いてて可愛いから撮るわ。現像したらシルクにやるから」


マサイ、お前は神か


マサイは一眼レフを構えてメロディズムちゃんを撮る


「……も、もう大丈夫ですか？」


メロディズムちゃんは震える子犬みたいな視線を俺らに向けた


「うん、ありがとう」


そしてまた黙々とサンドイッチを頬張る


やっぱ可愛い、小動物みたいで守りたくなる


「ねー、ご飯食べ終わったら久し振りに皆でカラオケ行かない？勿論メロディズムちゃんも」


「いいね！行こ行こ！」


「え、いいんですか？」


「うん、一緒に行くでしょ？」


「はいっ、行かせてください！」


「決定！いいよね、シルク」


「えっ？あ、カラオケ？いいよ」


ヤバい、ボーッとしててあんまり話聞いてなかった


「じゃあ俺車出してくるから、適当に片付けて準備しといて」


「オッケー」


「りょうかーい」


「分かりました」


流石、メロディズムちゃん。言われる前に済ませといてアイツらの片付け手伝ってる


まだ高校生なのにしっかりしてんな、もうちょっと抜けててもいいくらいだ


何だろう、あの甘えるとかあんまり無さそうな感じ


と、考えるとこの前の眠ってたのはかなりレアだったのか


まぁ、だから甘やかしたくなるんだけど


「片付け終わった？ンダホ号行くよー」


メロディズムちゃんは台拭きまでしてンダホ号に向かった


「メロディズムちゃんはカラオケどんくらい行ったことある？」


「実はまだ片手で数えられるくらいしか行ったこと無いんです」


「そうなんだ。じゃあ今日、メロディズムちゃん優先でマイク回さなきゃね」


「そんな……！お気遣いなく！皆さんの合間にちょっとだけ歌わせ……いや、聞いてるだけで十分です！」


「あはは、遠慮しなくていいのに。俺達もメロディズムちゃんの歌聞きたいからさ」


何だコレ、メロディズムちゃんがメンバーと仲良く喋るとちょっと違和感って言うかモヤモヤした

歌声→←可愛い表情

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