六十六話 ページ20
「とりあえずAは下がってろ」
「落とし前は自分でつける」
「なんでお前こういう時漢前なの？」
「ちょっとあのトカゲ共の尻尾引きちぎってくるだけだから」
「落ち着け、トカゲの尻尾は切ってもまた生えてくるぞ」
リムルの制止を振り切ろうとするものの、シオンさんとリグルドも止めに入ってきた。
「リムル様が下がれと仰ってるんだ。ここは下がっていろ」
「A様、どうか我慢して下さい」
流石の私も二人の頼みは断れず、まくった袖を渋々元に戻した。
よく考えたら体術習い始めて数日の私は相手からしたらヒヨコみたいなもんか。余計ムカつくな。
「お前の言う落とし前はつけといてやるから安心しろ」
リムルの声がいつもより頼もしい気がする。
「ほら、さっさと引っ込め」
私を安心させるかのように薄く笑ったベニマルがポンっと軽く私の頭を撫でた。不覚にもときめきそうになったが、待て相手はベニマルだぞ、と思い直した。
「お、お昼ご飯までには帰ってくるのよ！」
「お母さん？」
私はリムルのツッコミを背に走り出した。
ーーーーー
(リムル)
Aの背中が小さくなっていくのを確認して、リザードマン達に向き直った。
この空気どうしようか。
彼奴等は気付いてなさそうだったが、元から悪かったこちら側の空気が空気の読めない奴等のせいでさらに悪くなった。
Aと比較的付き合いの長いランガやリグルドなんかもう堅気の顔じゃない。怖いよ！
Aがいなくなった途端これだ。彼奴も随分好かれてるな、と頭の隅で思った。
だが呑気なことも言ってられない。このままでは死人が出る。それはアカン。
そんな時、ピリピリどころか高圧電気が流れてそうな空気をぶち壊してゴブタがのこのこやって来た。
哀れなことに、ランガは丁度良いとゴブタをガビルと戦わせた。正直絶対無理だと思ってたのに、なんとゴブタは無傷で勝利を収めた。
「おい、勝負はついたぞ。そいつの配下になるのは断る。オークと戦うのに協力しろという話なら検討しておくが、今日のところはソイツを連れて帰れ」
俺の言葉を聞き、ようやく動き始めるリザードマン達。そさくさと帰ろうとするその集団に声をかけた。
「それとさっきまでいた人間だが、彼奴は俺の仲間だ」
リザードマン達が驚いたように此方を見る。
「ここの連中にも随分慕われててな。次あんな口叩いたら、何するか分からんぞ？」
気を付けろよ、と伝えると奴等は脱兎の如く去って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sabamisoumai052(プロフ) - Tena_unknownさん» な、なんと！そう言っていただけてとっても嬉しいです！！ありがとうございます！！（返信遅くなってすみません（土下座）） (2019年8月13日 20時) (
レス) id: 6a7e160bf4 (このIDを非表示/違反報告)
Tena_unknown(プロフ) - うわあああ！！こういうギャグっぽい転スラ小説探してたので巡り会えて幸せ…活動頑張ってください、応援してます！！！！ (2019年8月3日 1時) (レス) id: 42a710b782 (このIDを非表示/違反報告)
sabamisoumai052(プロフ) - かなとさん» 申し訳ありません、気付きませんでした。ご丁寧に教えてくださりありがとうございます！ (2019年6月11日 20時) (レス) id: 6a7e160bf4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月11日 19時) (レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アイマスク | 作成日時：2019年6月11日 19時
