第97話 ページ48
〈side 悠〉
『お、お父さん⁉』
駆けつけてくれた形兆くんから聞くに、さっきの緑色の奇妙な生き物は、虹村兄弟の実父らしい。
どうもこのお父さんのためにスタンド使いを生み出そうとして、彼らは〈弓と矢〉を利用していたようだ。
『え?いや、だって……。二人のお父さんは、数年前にDIOの肉の芽のせいで…その、亡くなって……?』
形兆「アンタにはこの事は隠していた。」
『⁉』
と…とにかく、そんな理由があったのならば、あくまでも財団の保護対象とはなるだろう。
彼のしたことは本来なら極刑にも値するのだろうが、財団で保護する形となれば、もしかしたらどうにかなるかもしれない。
『あっ、起こしちゃってごめんね。もう一度寝ておいでよ。』
ここで何があったのか聞きたいところだけど、とにかく今は休ませてあげたい。
どうせこの後、朋子さんのお家に伺うんだし、その時に仗助くんから話を聞くとしよう。
???「…なんだァ?この家、玄関のチャイムが壊れてるじゃねーかよ〜。
おい虹村ァ!生きてんのかぁ〜〜っ?」
⁉
突然、玄関の方からバカでかい声が聞こえてきた。目の前の形兆くんがピクッと眉を動かす。
どうやら彼の知り合いみたいだけど、なんでそんなに嫌そうな顔をしてるんだ。
???「このおれが見に来てやったんだぜーっ、顔出すくらいしろよ!あぁ〜ん?」
『…お友達?』
形兆「違う。クラスが同じってだけだ。あいつも滅多に教室には来ねえし、関わりなんて無い。」
無視してればいい、と言って、形兆くんは部屋に戻ってしまった。
けど、その男の子の声は止むことはない。しかも帰ってくれそうにもない。
『…あの……。』
???「お?虹村の母親…にしちゃ若えな。姉貴かなにかか?」
そっと玄関を覗き込んでみれば、そこには派手なスカーフを巻いた男の子がいた。これまた改造ランだ。
滅多に教室には来ない、と言われていたから、もしかしたら不良なのかな。
『違います。そのぉ、形兆くんは今寝てるので…。』
???「……。」
突然、男の子はジロジロと私を見つめてきた。
彼は時折スンスンと鼻をすするようにしている。いや、何かのにおいを嗅いでいる?
???「…おれ、どっかでアンタに会ったことあるか?な〜んか知ってるにおいだぜ……。」
男の子は唇に指を当てて、何かを考え込んでいる。
しばらくそうしていた彼は、ハッとしたように顔を上げる。そして、パチンと指を鳴らしたのだった。
???「そうだぜ!アンタ、千円女だろ!」
『はぁ……?』
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キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» うるさくなんかないですよーっ、いつも嬉しいです!原作の花京院への罪悪感と共に書きました。すまない……。いつもありがとうございます! (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - 姉御さんさん» いつもありがとうございます!嬉しいこと言ってくれちゃって〜!です!暗チ…もっと登場させたいです…。ギアッチョの出番なんて無理矢理ねじ込みました笑 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ゆゆさん» いつもありがとうございます!どうか幼い時の彼にも幸せに生きていてほしいという欲望の賜物であります……! (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - Toyさん» いつもありがとうございます!暗チは…本当に素晴らしいですよね……!梅雨明けで毎日暑いですけど、お互いに生き延びましょう…。 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - 今現在私は絶滅危惧種になりそうです(?) (2020年8月11日 1時) (レス) id: e408f95724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キョウべえ | 作成日時:2020年8月8日 6時