【ジョジョ】いつか願ったその言葉 2

第87話：とある兄弟　3 ページ38

〈side ???〉

???「その日から1年ぐらいで、親父は俺達が息子だってわからねー、ただの肉の塊になった。

DIOってヤツは、信用できない者の頭に自分の細胞を埋め込んで、操りたい時に命令できた。親父は肉の芽を埋め込まれてたのさ！」



俺は十年かかって全てを調べ上げた。

スタンドのこと、承太郎という男のこと、そしてエンヤという老婆を知って〈弓と矢〉を手に入れた。

あの人だって利用した。罪悪感だとか、そういう無駄な感情はいらねえ。やるしか無かったんだから、仕方ねえ。



???「だが、色んな事を知ると同時に、親父は決して治らねーということを信じなくてはならなかった。

DIOの不死身の細胞が、親父と一体化しちまったんだからな。」




…ーガサ、ガサガサ……




醜い化け物となった親父は、いつも同じ行動を繰り返している。言っても止めやしねえんだ。

一日中こうやってるだけだ。

この十年間、無駄にガラクタ箱の中をひっかき回してるだけさ。箱を取り上げると何日も泣きわめくしよ。



???「…散らかすなって何度も教えたろう！」



ムカつくその顔を殴り飛ばして、地面に転がった親父の顔面を踏みつけた。

わかってるぜ、俺がやってることは、かつての親父と同じだってことは。

けど、他にどうしようもねえんだよ……！




???「しつけりゃ結構言うことを聞くんだがよッ！」

仗助「おい、やめるのはお前だろ！お前の父親だろうによ！」




康一とかいう小僧を助けに家に入ってきたこの男…東方仗助が叫び声を上げる。




???「ああそうだよ。実の父親さ、血のつながりはな。だが父親であって父親じゃない。
DIOに魂を売った男さ、自業自得の男さ！

そしてまた一方で、父親だからやり切れないっつー気持ちがお前にわかるかい？

だからこそ……普通に死なせてやりたいって気持ちがあんだよ…！」




俺がこんな目に遭ってるのは、全部親父のせいだ。
俺の人生の約半分をこいつに奪われたんだ。

こいつが生きている限り、俺は一生苛まれることになる。いや……もう後戻りはできねえがな。





???「こいつを殺した時に、やっと俺の人生が始まるんだ！」





不死身だから、すでに俺の殴りつけた怪我が治っている親父が起き上がった。

またいつものガラクタ箱まで這っていって、中に入った千切れた紙切れをいじっている。



???「ちくしょう、やめろっつってんだよ！イラつくんだよ！」



それに何の意味があるのかは知らねえが、今の親父に知性なんか無い。どうせ、無駄な行動なんだ……。

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