【ジョジョ】いつか願ったその言葉 2

第86話：とある兄弟　2 ページ37

〈side ???〉

???「親父は絶対死なねーんだ。

頭を潰そうとも、体を粉微塵にしようとも、削り取ろうとも……絶対にな！普通に死なせてやりてーんだ。

そのためならどんなこともするって、子供の時に誓った！」



全部本当のことだ。

確かに俺は、親父が好きじゃなかった。クズだと思っていたし、親父は紛うことなきクズだった。


全部本当のことなんだ。


そんな実の父親の頭を、中身が飛び出るまで殴りつけたことがある。

俺のスタンドで何度も何度も撃って、刺して、爆撃して、粉微塵にしたことがある。

嫌がる億泰に無理言って、そのスタンドで親父の頭や体を削り取らせたことがある。




???「さもなきゃ親父は、このまま永遠に生きるだろう。

なぜなら親父は、DIOっつー男の細胞を頭に埋め込まれてこうなっちまったんだからな！」




それでも親父は死ななかった。

だから俺は探している、生み出そうとしている。
親父を殺してやれるようなスタンド能力を持つ、スタンド使いをー……！



???「少し過去の事をしゃべってやろう。まんざらお前にも関係ない話じゃないからな……。」



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全ては11年前…1988年に起こった。
当時幼かった俺達は、東京に住んでいた。

世の中はバブル経済とかいって浮かれてたが…、当時の親父は全くついてない男でよ。

病気でおふくろが死に、経営してた会社は倒産して、膨大な借金を抱えてた。


あいつは俺達を、理由無くよく殴ったよ。親父は完璧に負け犬だったのさ。



…だがある時から、急に親父の所に札束が転がり込んでくるようになった。

時には、宝石や貴金属の時もあったよ。仕事もロクにしてねーのによ。

後から調べて分かったんだが、その時すでに、親父はDIOに心を売っちまってたようだな。金のために手下になってたのさ。


DIOってヤツは当時、スタンドの才能のある者を世界中から探してたらしい。

そして、どうにかして親父にその才能があるのを見つけた。親父のスタンドがどんなスタンドだったのか、今となっちゃわからねーがな。



だがある日の事だ。

10年経った今でもはっきり覚えてるぜ。昼の二時ぐらいに学校から帰るとよ。
玄関のすぐの廊下で、億泰が泣いてたんだ。



「億泰！また親父に殴られたのか？あのクズ…！」

「ち…違う……。」



帽子のツバをギュッと握りしめながら、億泰は震える手で家の奥を指差した。

すると、そこにはよ……。




???「…顔がぐちゃぐちゃに変容した、俺達の親父がいたんだよ。」

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