第75話 ページ26
〈side 花京院〉
…昨日は見事に、頰にもみじが咲いた。
そのヒリヒリした痛みと、彼女の答えへの緊張で寝られなかったわけだが、朝早くに家を出る。
彼女と会ってしまったら、さすがに気まずいからだ。
花京院「……あっ」
『えっ⁉』
職場の建物の前で、バッタリと彼女に会ってしまう。
考えていたことは同じだったか…。
お互いに気をつかって早く出社したはずが、まさかタイミングがかぶってしまうとは。
『お、おはようございます……。』
花京院「ああ、おはよう。」
『すみません、昨日はその…ほっぺたに……。』
ギクリとして口元を引きつらせる。
何を言おう、僕は昨日、彼女から強烈な平手打ちを食らったのだ。
悠さんにはそのまま逃げられてしまったのだが、やっぱりしつこくしすぎたみたいだ。
『じゃあ失礼します。』
花京院「待ってください、一緒に行きましょう。」
『うぐ……。』
思った通り、彼女も気まずさを感じていたようだ。苦しげな声を漏らしながらもこちらに近づいてきた。
警戒されているようで、かなり距離を取られている。
感情に任せて暴走したのを後悔した。「友人」という関係を壊したくないとずっと思っていたはずなのに。
『……あの。』
唐突に悠さんが口を開く。歩きつつそちらに目をやった。そのとたんにハッとする。
…彼女、平静を装ってはいるが……耳が真っ赤だ。
『昨日のは、冗談か何かですか？』
花京院「そっ、そんなわけないだろ！僕は冗談であんなこと言わない！」
『……。』
思わず足を止めて反論すると、悠さんはビクッと肩を震わせる。
冗談だなんて思われるのは心外だ。僕は五年前から君のことを想ってたんだぞ。
『…わ…私は……、典明さんのことは、初めて出来た異性のお友達としか…思ってなくて……。
それに、男の人のことを好きになったとか…そういう経験も無いし……。
だから……どうしていいのか……。』
悠さんはうつむきながら、震える声で言葉を紡いだ。
…五年前にDIOの館で想いを伝えた時、僕は彼女から拒否とも取れる答えを受け取った。
やはり、彼女はそういったことには興味がないみたいだ。それが哀しくないと言えば嘘になるけれど。
『私、どうすればいいんですか…？』
花京院「…そんなの、僕は何も知らない。君の決めた答えに僕は従う。だから、君の正直な気持ちを言ってくれればいいんだ。」
答えがなんだって受け止める。
だから、どうか僕のせいで思いつめないで欲しいんだがな……。
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キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» うるさくなんかないですよーっ、いつも嬉しいです！原作の花京院への罪悪感と共に書きました。すまない……。いつもありがとうございます！ (2020年8月13日 5時) (
レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - 姉御さんさん» いつもありがとうございます！嬉しいこと言ってくれちゃって〜！です！暗チ…もっと登場させたいです…。ギアッチョの出番なんて無理矢理ねじ込みました笑 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ゆゆさん» いつもありがとうございます！どうか幼い時の彼にも幸せに生きていてほしいという欲望の賜物であります……！ (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - Toyさん» いつもありがとうございます！暗チは…本当に素晴らしいですよね……！梅雨明けで毎日暑いですけど、お互いに生き延びましょう…。 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - 今現在私は絶滅危惧種になりそうです(?) (2020年8月11日 1時) (レス) id: e408f95724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キョウべえ | 作成日時：2020年8月8日 6時
