第74話 ページ25
〈side マニッシュ〉
ドタバタとなんだか激しい音がする。
夕方になって、ネーチャンが帰ってきたみてーだ。読書をやめて玄関をのぞきに行けば、なんだか荒い息のネーチャンが突っ立っていた。
『…ただいま。』
マニ「お、おう。…なんか手のひらが赤いけど…。」
『いや…ちょっとね、つい平手打ちをね……。』
平手打ち?職場の誰に暴力かましてきたんだよ。
もし部下が仕事に失敗したからって、そこまで怒る人じゃなかったと思ったんだがな。イラついてたのか?
『ごめん、ちょっと休んでいい?疲れた……。』
マニ「い、いいけど…。」
どうしてこんなに死んだ目をしてるんだ?
何があったか知らねえけど、ここは放っておいたほうが良さそうだな。
ボスッとクッションに顔をうずめたネーチャンが、唐突に小さく話しかけてきた。
『ねえ……。
もしもだよ。友達だと思ってた異性がいたとするよ。けど相手はそうじゃなかったら……。
どうすればいいと思う?』
オレは天才だ。しかし、これは天才じゃなくともわかる話だ。
そう。これは明らかに、ネーチャン自身に起きた話に違いない。つまり、花京院のことだッ!
あんのクソ野郎〜〜〜ッ!ついにやりやがったぜッ!
マニ「その相手をブッ殺せばいいと思う。」
『私にとっては友達なんだってば……。』
マニ「ならオレに任せとけよ。オレのスタンドは〈死神〉だぜ。そいつを冥府に送ってやるッ!」
『あ〜もう止める気力もなーい…。』
ネーチャンは本当に参ってるのか、ゴロンと床に寝っ転がった。ちょうど部屋に入ってきた形兆が顔をしかめる。
形兆のやつは、一切の気力を失くしたネーチャンをゴロゴロ転がして、白衣だけを奪い取った。
パンパンとシワをのばしてハンガーにかけている。几帳面なやつだ。
『ただいま〜、ありがとう〜……。』
形兆「寝るなら部屋で寝ろよ、しっかり風呂に入ってからな。」
『運んでくださーい。』
形兆「馬鹿言ってんな。」
『反抗期だ!』なんて叫びながら起き上がって、ネーチャンは浴室に向かって行った。
ちくしょう、ネーチャンがあんなに無気力になるなんて、花京院のヤツ何をしやがった?
マニ「…形兆、ネーチャンに彼氏が出来たら、オレ、そいつのこと殺してもいいよなあ?」
形兆「DV野郎だったらいいんじゃねえか。そういう男だと相手すんのは厄介だからな。」
おお、さすがに説得力があるな……。
花京院がネーチャンに暴力…そんなのするわけない。クソッ、どうにかして邪魔してやる手立てはないもんかよ。
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キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» うるさくなんかないですよーっ、いつも嬉しいです!原作の花京院への罪悪感と共に書きました。すまない……。いつもありがとうございます! (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - 姉御さんさん» いつもありがとうございます!嬉しいこと言ってくれちゃって〜!です!暗チ…もっと登場させたいです…。ギアッチョの出番なんて無理矢理ねじ込みました笑 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ゆゆさん» いつもありがとうございます!どうか幼い時の彼にも幸せに生きていてほしいという欲望の賜物であります……! (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - Toyさん» いつもありがとうございます!暗チは…本当に素晴らしいですよね……!梅雨明けで毎日暑いですけど、お互いに生き延びましょう…。 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - 今現在私は絶滅危惧種になりそうです(?) (2020年8月11日 1時) (レス) id: e408f95724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キョウべえ | 作成日時:2020年8月8日 6時