【ジョジョ】いつか願ったその言葉 2

第72話：告白　4 ページ23

〈side 悠〉

香ちゃんの趣味は筋トレらしい。

いとも簡単に持ち上げられた私は、細い女性の腕に担がれながら研究室に連行された。

隣には典明さんもついてくる。



香「はい到着！じゃあ頑張りたまえよ、悠ちゃん！」

『ま…待って、香ちゃん、ここにいて……！』

香「なに言ってんの、あたしは出てくよ。じゃね〜」



あ〜っ、ある意味薄情な友達を持ってしまった…！

バタンと扉を閉めて出て行った香ちゃんの代わりに、今度はさっきから無言の典明さんが立ちはだかった。



花京院「……。」



慌てて香ちゃんの出て行った扉から逃げ出そうとするも、すれ違いざまにガシッと肩をつかまれる。

もちろん、典明さんによってだ。

さっきの言葉が頭の中で繰り返されて、勝手に耳が熱くなっていく。…恥ずかしかった。



ーカチャ


『えっ、な…なんで鍵かけたんですか⁉』

花京院「…だ、だって、君……逃げるじゃないか。」




うつむいた彼の顔だって赤い。
ただ、肩に込められる力だけが強くなっていった。

…きっと、悪い冗談だ。誰かと共謀して、罰ゲームか何かで私をからかっているに違いない。

そうとなれば、恥ずかしい思いをしている方が馬鹿らしいじゃないか。




『あ…ああいうことは、本当に好きな人に言ってあげないと可哀想ですよ？』

花京院「罰ゲームか何かだとでも思ったんですか。」

『ひえっ』




グイッと両手で肩をつかまれ、否応なく顔を上げることとなった。

リンゴのように真っ赤な典明さんの顔を見て、彼の真意を理解した瞬間、思わずパッと視線をそらす。



花京院「……。」

『や…やだ、あの……、は、離して……。』



ど…どうしよう。どうにかして逃げ出さないと、このままじゃ恥ずかしくて死んじゃう…。

さっきからカップを呼んでも、なぜか無視されている。なんで今に限って助けてくれないの〜！




『わあああっ、待って待って待って！』

花京院「返事をください。」




いきなりグッと距離を縮めてきた典明さんを押しのけようにも、どうにも動いてくれない。

ああ、こんなことが前にもあったような気がする…！

や、やばい……！どんどん壁際に追い詰められている気がする。けどカップは助けてくれない。

……なら！




『鳥くん、イギー！コーヒーガムッ！』


イギー「アギャギャガウガウガウ！」

ペット「グガガガガッ」


花京院「うわっ⁉」




本日11枚目のガムを与えられた二匹が、一勢に典明さんに飛びかかる。

よしっ、今のうちに逃げちゃおう……！

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