第61話 ページ12
〈side 悠〉
『典明さん？どうしちゃったんですか？』
花京院「…いえ、また会うことができて、嬉しかっただけなんだ。」
『そ、そうなんですか？ありがとうございます。』
そもそも、なんでうちの場所を知ってるんだろう。
それに、彼は目を覚ましてからまだ1ヶ月も経っていない。なのにどうしてこんなに動き回れてるの？
もしかして、また無理してるんじゃ……。
花京院「承太郎に君のことを聞いたものでね。心配だったから、来てしまった。」
『じ、承太郎さんに⁉…怒ってました？あの人…。』
花京院「怒ってなんかいませんよ。むしろ、悪いことをしたと申し訳なさそうにしてましたよ。」
な…なんだ…。それは本当に良かった。
それにしても、承太郎さんが申し訳なさそうにするだって？
そんなところ、見たことがない。ぜひともいつか見てみたいものだ。
『…あの、そろそろ離してもらっても……。』
花京院「ああ、すみません。」
パッと体を離してくれた典明さんは、次いで私に巻きついていた触手も外してくれた。
ふう、顔を合わせるのが気恥ずかしくて逃げ出したら、まさかスタンドで階段に先回りされていたとは。
『ありがとうございます。ところで典明さん、今日はどんなご用でいらしたんですか？』
花京院「君の顔を見に来ただけですよ。ほら、動けるようになったのでー…」
マニ「嘘つけ花京院！おいネーチャンっ、こいつの馬鹿なところ、よーく見とけよ！」
花京院「え？うわっ⁉」
突然マニッシュくんが騒ぎ出してしまった。
この子が典明さんを敵視しているのはずっと知ってたけど、いつにも増して怒ってるなあ。
しかし、彼が典明さんの服をおおっぴらにめくり上げたことで、私のそんな呑気な考えは吹き飛ぶことになる。
『こ……これっ……』
典明さんの体は痩せ細って、あばら骨が浮き出ていた。五年間動いていなかったせいで、まさに骨と皮だけの状態になっている。
けれど、私が息をのんだのはその点だけじゃない。
『…典明さん！！』
花京院「す、すみません……。」
二度と治ることのない彼のお腹は、財団から処置を施されたのか、冷たい鉛色になって塞がれていた。
その鉛色と肌色との境目から、ほんの少しだけ緑色の光が揺らめいていたのだ。
それはつまりー……
『典明さん、あなた、
自分の体内に〈
…典明さんは苦笑して、「参ったな」とつぶやいていた。
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キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» うるさくなんかないですよーっ、いつも嬉しいです！原作の花京院への罪悪感と共に書きました。すまない……。いつもありがとうございます！ (2020年8月13日 5時) (
レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - 姉御さんさん» いつもありがとうございます！嬉しいこと言ってくれちゃって〜！です！暗チ…もっと登場させたいです…。ギアッチョの出番なんて無理矢理ねじ込みました笑 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ゆゆさん» いつもありがとうございます！どうか幼い時の彼にも幸せに生きていてほしいという欲望の賜物であります……！ (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - Toyさん» いつもありがとうございます！暗チは…本当に素晴らしいですよね……！梅雨明けで毎日暑いですけど、お互いに生き延びましょう…。 (2020年8月13日 5時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - 今現在私は絶滅危惧種になりそうです(?) (2020年8月11日 1時) (レス) id: e408f95724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キョウべえ | 作成日時：2020年8月8日 6時
