第17話 ページ23
.
「A〜！またお願い〜！」
『お、お母さん……！』
【若者よ、青春を謳歌せよ！ 17】
商店街
最近に限ったことじゃないどお母さんの忘れ物レベルが高くなってる気がする。
『そして私が商店街にいく比率も…あ、おじさん、これもくださーい！』
「はいよー。」
別に外に出たくないって訳じゃないけど…こうも頻繁だと我が母ながら心配…。
おじさんから商品を受け取り、とりあえずこれで任務完了、かな。
うちのお母さん、そろそろ財布忘れて買い物すらできなかったとか言い出すんじゃないかしら……。
─────いや、普通にありうる。
『……そういえば。』
買い物袋を持つ私は暗くなりはじめた商店街を見つめ、ふと思い出す。
……以前小銭を拾ってくれた男の人、見たことがある学生服を着てたけどどこの高校だっけ……。
『ううううむ』
分かるような分からないような、覚えてるようで覚えてない。
『灰色の制服……どこだっけかなぁ？』
「なぁに、おネェさん、灰色の制服って俺みたいな？」
『わ、そうそう！この前小銭拾ってくれた人が着てた服！
どこの高校だったかなぁって名前が思い出せな…く……て………………………んん？』
……灰色の制服だわ。
今まさに銀色の髪の色にオールバックな灰色の制服を来たお兄さんが目の前にいるわ……。
「何、おネェさん俺らの学校知らないの？」
『エッ！いや、名前は聞いた事があると思うんだけど！？
ちょっと？ちょっと思い出せないかなー？って的な……？』
こ、ここまでは！！ここまでは出かけてるんです！！と慌てて自分の首を指差すと
なぜか吹き出すお兄さん。
「あ─…笑った。そんな慌てなくてもよ…。
まぁ、ただその言葉…この制服来た他のやつらにはあんまし言わねーほうがいーぜ？」
トントンと親指で胸を叩くお兄さんは、そういって怪しげに笑う。
『き、気をつけます……。』
「……素直でよろしいこって。」
どうしてかの意味は分からないけど、親切でしてくれた忠告にコクリと頷く。
そんな私の様子を見て、満足げに言葉を放ったお兄さんは私との距離を縮めた。
「──この制服着てんのは”開久”ってんの。じゃあな、おネェさん。」
耳元でそう囁いた彼は、私の肩をゆるく叩くと反対方向に歩き出す。
開久……聞いたことあるような…
って……
『し、親切な人だったわ……』
一人残された私はそう呟いた。
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麻衣(プロフ) - 更新頑張って下さい！続き気になります！ (2021年5月29日 19時) (
レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - 名前変換して読みたいです (2021年5月29日 16時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き！！(プロフ) - 続きがとても気になります！！更新頑張ってください！！ (2021年3月6日 14時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
水戸(プロフ) - エヌさん» コメントありがとうございますm(*_ _)mべりーぐっと！嬉しいです(つω`*）とても励みになりました、ありがとうございます！ (2018年12月19日 0時) (レス) id: 71526eaf36 (このIDを非表示/違反報告)
エヌ - べりーぐっとすぎます。更新頑張ってください！楽しみにしてます (2018年12月18日 20時) (レス) id: 22eb4ac618 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水戸 | 作成日時：2018年12月17日 22時
