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森の中___
浮所《こっちです》
紫耀「ねぇ、落し物って何処にあるの?」
浮所《もっと奥の方ですかね?どうしても探してて、紫耀さんがいてくれてよかったぁ》
紫耀「早いうちに探さないと___っ!?」
紫耀は木々の中に手を入れたことで、手の甲を怪我した
浮所《大丈夫ですか?うーん、もっと向こうの方ですかね?》
指を指された方に進む紫耀
浮所《もっと奥です。もっと、もっと___》
紫耀「うわっ___っ!?」
紫耀が言われた通りに進んでいくとその先に道はなく、崖となって踏み外した
辛うじて掴めたが、脆くなっていたこともあり手を滑らせてしまった
その様子を見ていた浮所の姿をした者はゆっくりと紫耀の元へ舞い降りた
浮所《ふふふ》
不気味な笑みを浮かべて
浮所《新米の怪盗たちがいけないんだよ?“Phantom radになる”ってことは、周囲の人たちにも危害が及ぶってことだから》
傷だらけの紫耀に近づく浮所の姿をした者
浮所《此処の場所は好都合。木の葉を隠すなら森の中。此処なら気配は紛れるからね》
紫耀の口元に手を近づけた
浮所《何だ‥まだ息はあるのか。アルセーヌ界の人間だからかな?でも、此の傷だから貴方を置いて森を出てもよさそうだね》
ニヤリと口角が上がった
紫耀「っん‥」
浮所《‥あ、紫耀さん!大丈夫でした?俺、誰か呼んで___》
そのまま紫耀を置いて森を出ようとしていた浮所の姿をしていた者
紫耀「落し物‥」
浮所《えっ‥》
紫耀「探しているんでしょ?俺で良ければ付き合___っ!?ごめん。何か足やっちゃったみたい」
浮所《あ、足‥?》
紫耀は落ちたときに足を痛めたらしい
立ち上がろうとしても力が入らず、直ぐに座り込んでしまった
紫耀「___あのさ、ちゃんと落し物探すから浮所の姿でいるのは勘弁してくれない?」
浮所《っ!?》
紫耀「浮所が幽霊になったみたいで、あまりいい心地しないから」
浮所《‥いつあの子ではないと分かったの?》
紫耀「最初はあまりにも似てたけど、直ぐに分かった」
浮所の姿をした者が俯くとその頭を撫でた
撫でた手は滑り落ちる様にして地面に着いた
紫耀は気を失ってしまった
浮所《貴方って人は___》
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作者名:砂漠のクロネコ | 作成日時:2022年5月22日 15時