5*嫌味ったらしい日本語で ページ6
ー...えー、っと。
誰もいなくなったリビングで、思わず日本語でぽつりと呟く。
『もしかして私、歓迎されてない...？』
「あんまりね」
『ひゃあ！』
ひとりごとは、後ろから入っていたナムジュンさんに聞かれていたらしい。
彼はサングラスを外すと、「ほんとに何も知らないの？」とたずねた。
『はい、いえ、あの、みなさんがグループでアイドルをやってるってことは存じてます。でもその、すみません、ファンではなくて...すみません...』
「謝ることじゃないよ。...むしろそっちの方が好都合かも」
『えっ？』
「ううん、こっちの話」
ナムジュンさんはひとりごとのように呟いてから、ソファに腰掛ける。
どうしたらいいか分からなくて立っていると、ナムジュンさんは口を開いた。
「玄関入って右がバスルーム。左が物置。ダイニングキッチンは...見ればわかるよね？そこにある」
視線を彼が指す方にうつすと、これまた豪華なキッチンがあった。
「ここはリビング兼フリースペース。ここで踊るメンバーもいる...迷惑っちゃ迷惑だけど。そんで、並んでるドアがそれぞれの部屋。一応ネームプレート付けてるから、分かんなかったら見て」
『は、はい！』
「韓国語話せるんだね、留学生？」
『いえ、日本の大学で専攻してて、まだそんなに上手ではないんですけど...あ、ナムジュンさんは...日本語...』
さっきも、その前も、彼は私の日本語を聞き取った。
その問いを彼はさらりと流す。
「英語よりは上手く話せないけど、一応ね」
『そうなんですか...！』
すごい、すごすぎる。思い出せば、友達がトリリンガルのメンバーがいると大興奮していたような気もする。
ナムジュンさん、得体の知れない女にも優しくしてくれるなんてとっても親切な人かもしれないー...
ー...と、思ったのもつかの間。
「...あ、マネージャーから聞いたかも知れないけど、やめた家政婦全員恋愛沙汰かオーバーワークで辞めてるから」
『...！』
「...じゃ、
ナムジュンさんが去り際に投げたのは、嫌味ったらしい日本語の激励の言葉。
思ってませんよね...！？
そう突っ込みたかったけれど、それができる私ではない。
引きつった笑顔で、『あ、ありがとうございます...』と日本語で答えたのだった。
＊＊＊＊
評価もコメントもありがとうございます！
今のところ不穏ですが仲良くなって本筋にいくまでガンガン進めていきたいです、応援よろしくお願いします！
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Gettoin - 素敵なお話がここで終わってしまうなんて…寂しいです！首を長くして待ってます。 (2020年10月7日 13時) (
レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - ジミンとお買い物 (2018年5月19日 14時) (レス) id: 8dfe945fda (このIDを非表示/違反報告)
ゆきこ(プロフ) - すごく楽しいです。頑張ってください。(p*'v`*q) (2018年4月27日 14時) (レス) id: 1bff26710f (このIDを非表示/違反報告)
リン - 面白いです！あっ、あと…出来たらでいいんですが、、#テテが主人公のお気に入りになるように頑張る ところと グクが家事を頑張る主人公に一目惚れするところを書いてほしいです！よろしくお願いします。 (2018年3月5日 0時) (レス) id: 2e9e2e5043 (このIDを非表示/違反報告)
Remon.V - メンバーが風邪引いちゃったり、助っ人と来てモデルをさせられたり、あと、みんなと買い物とかはどうですか？ (2018年2月22日 22時) (レス) id: 7ed4bcc834 (このIDを非表示/違反報告)
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