2年1組正門先輩 (ページ10)

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夏休みに入り、

窓の外から聞こえるセミの声が

響くようになってきた頃

廉｢待ってもしかしてAちゃん？｣

｢え廉先輩なんでいるんですか！｣

廉｢俺このお店のパン好きやねんもん｣

これは一体どういう状況かというと

遡ること1時間前

2階の自分の部屋でのんびりしていたら

1階から聞こえるママの声

マ｢Aー｣

｢なにー｣

マ｢お店手伝ってー｣

｢ちょっと待ってー｣

私の家は1階がパン屋さん

ママとパパがやってるお店で

そんなに大きなお店じゃないけど

毎日沢山の人が買いに来てくれる

混んでいる日や人手が足りない時は

時々召喚される私

それで、いつものように

レジを手伝っていたら

廉先輩とお友達が

買いに来てくれたって訳

廉｢Aちゃんこのお店の子やったんやぁ｣

｢時々手伝ってる感じですかね｣

廉｢えぇー知らんかったわー｣

紫｢Aちゃんって言うの？この子｣

廉｢そう、1個下の後輩ちゃん｣

紫｢へえ、俺平野紫耀って言います｣

平野さんは先輩達の小学校の同級生らしく

中学からは東京に転校したけど

夏休みは大阪に帰ってきているらしい

｢廉先輩の後輩の桜木Aです｣

紫｢よろしくね、Aちゃん｣

廉｢Aちゃんのおすすめのパンどれ？｣

｢んー個人的にはクロワッサンですかね…｣

廉｢まじ！俺もクロワッサン好き！

ここのクロワッサン、チョコ入ってるのも最高｣

紫｢俺も食べたい！｣

2人はあれも！これも！と沢山買ってくれて

｢お会計1538円になります…けど、

クロワッサンの分はおまけしときます｣

廉｢そんなんAちゃんに悪いって｣

｢全然大丈夫です！いつものお礼も込みで笑｣

お会計が終わって

平野さんとも連絡先を交換し

紫｢俺のことも紫耀先輩って呼んでー｣

ということで紫耀先輩とも仲良くなった