理不尽を知る者 ページ23
青い瞳が濃く深い熱を持ってAを貫いている
相手の顔は深いフードの影に埋まり、表情までは窺えないが間違いなくその青はAのよく知る青色だ
もう、随分前に
「大活躍だったよなぁ、体育祭」
だが、失ってしまったものはもう二度と戻る事は無い
他者を
「"轟ツインズ"...ツインズねぇ...
すげぇよなァ、2人揃ってハイスペックで」
男がAの腰に回していた手を動かし、今度は彼女の髪に触れた
再び肩に回された腕の力は強く、避けることは難しかった。
くるりくるり、髪の毛先を弄びながら男は話し続ける
「でも辛くないか？いつでも
しかも体育祭で観た感じ弟は随分とお前にお熱らしい
鬱陶しいだろ？可哀想になァ
＿＿＿＿＿＿轟焦凍と轟Aは全くの別人だ。
そうだろ？A
何もかも一緒くたにされるのは可笑しいよな？
不便だよな？
不愉快だよな？
迷惑だよな？
理 不 尽 だよなァ？」
『っ』
機嫌が悪くなったのか、声を低くした男が触れていたAの髪を少し引っ張った
頭皮からじわじわと伝わってくる痛みに顔を歪める
「俺はさ、そういう"理不尽"をよぉ〜く知ってる
なぁ轟A、どうなんだ？
お前は
邪魔だと思った事はあるか？憎かった事は？
殺してやりたいと思った事は？」
間髪入れずに問いただし続ける男にAは頭の中を整理するように1つ息を吐いた
そして少し思考が整った所で重い口を開く
『...焦凍を...憎いと思った事は、無い...一度も』
そう言葉を続けると男からの圧が少し強くなったのを感じた
髪を引っ張る手の力も少し強まった
それでもAは本当に弟を憎んだ事など一度もないのだ
確かに少し強引で、故に困らされる事も多いが、それ以上に大事で可愛い弟で、片割れだから。
『もし憎いと思うなら、それは焦凍じゃなくて...。
......。』
「ん？どうした？弟じゃなくて、なんだ？
誰が憎いんだ？是非とも教えてくれよ」
そうして口を噤んだAに、何故か男は機嫌を良くしてその言葉の先を聞きたがった
だがAに答えるつもりは無いようだ
男はその様子を見ても機嫌を損ねることなく、青い瞳は弧を描いて歪んでいた
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ムーン(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！！！！ (4月14日 2時) (
レス) id: 4501a4fd46 (このIDを非表示/違反報告)
メル(プロフ) - 更新ありがとおおおおおおおおごさいます！ (4月13日 19時) (レス) @page31 id: 1ce28027fc (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - 大好きです！更新待っておりますゞ (8月28日 1時) (レス) @page31 id: 19cd532bd7 (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこさん - めちゃめちゃ面白くて尊敬します！自分のペースでいいので更新楽しみにしています！ (8月26日 14時) (レス) @page31 id: ecfb4bc453 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - 面白すぎて一気読みしちゃいましたっ！内容がしっかりしていてめちゃくちゃ面白いです！更新楽しみにしてます🤍 (2023年4月9日 17時) (レス) id: 56311d91ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘党組
| 作成日時：2022年12月25日 12時
